養殖でなく、蓄養
→痩せていたマグロをイケスに囲い込んでしばらくたくさんえさを与える。
脂ののっていないマグロに脂をのせることができる。
サバは体重300グラム程度で成熟し、成熟までの期間も1年程度なのでマグロより効率的。
サバの大きさであれば、海中のイケスではなく、環境の管理の容易な水槽で飼育できる。
水槽飼育ならば、蛍光灯で昼間の長さを、サーモスタットで温度を調整することで、1年間に複数回マグロの卵を産ませることすら可能。
ヤマメにニジマスを産ませる
マグロの卵と仔魚は小さ過ぎて始原生殖細胞を採取することが困難なため、より大きな卵、仔魚を持つニジマスからはじめる。
始原生殖細胞は、精巣や卵巣に移植しなくても、腹腔に注入すると、ちゃんと自分の居所を見つけて、精巣や卵巣に居ついて、精子や卵子になってくれる。ただし、腹腔に細胞を注射するには、ある程度の器用さと熟練を要する。
始原生殖細胞は仔魚のどこにあるかわからないので、vasa遺伝子のスイッチを使うことで生殖細胞を光らすことができた。
さらに、gfp遺伝子を組み込むことで始原生殖細胞だけでなく、精原細胞や卵原細胞も光らすことができた。
練習のために、大量に採れる精原細胞を使った。
本来、10個でいいところを一万個、二万個という単位で移植した。
10個程度の精原細胞の移植ではうまくいかなかったものが、大量に移植したためになぜかうまく精巣に移動して精子を作った。
さらに、精原細胞は、正常な状態では精子にしか分化しないので、オスにだけ移植したいが、移植する仔魚の段階では、オスかメスかわからないので、メスにも移植していた。精子にしか分化しないはずの精原細胞が、メスの体の中では、卵巣において卵になることがわかった。