akon2.00βのよっぱらいの戯言

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科学が創造する新しい味

 

良くも悪くもジャパニーズ・エル・ブリ

 

サルキッチン 内藤泰治

生体制御学

塩分は体液と同じ濃度が理想

おいしいものを作るには栄養を吸収しやすい形に食材を変化させればよい。

うま味、甘味を体に取り入れると、ドーパミンが分泌され、快感を感じる。

雑味を除去するほど、体になじむ味になる。

肉の火入れの目的は、 細胞を壊し、味を引き出すこと

魚の火入れは、皮は完全に焼き切って水分を飛ばし、身はタンパク質がほぼ変形しきる60度以上で加熱して細胞を壊しながら、水分の蒸発は最小限にとどめる。

煮込みはさまし方でおいしさに差がつく

→肉に味がしみ込むのは 50~45 ℃の温度帯

 

レストラン エール 山本英男

発酵ビーツと熟成鹿の冷製ボルシチ

熟成も発酵もうま味成分であるアミノ酸をつくり、このふたつのうまみ成分が相乗効果を生む。

海老は三段階の火入れ

・40度→タンパク質の変性開始。筋繊維は隙間なく並んでいる。

・50度→筋繊維が収縮しはじめ、弾力ある食感に変化する。

・60度→水分が流れだし始め、表皮が赤く変色

 

野菜を干すと、ビタミンD、ビタミンB群、カルシウム、鉄分、ナイアシンなどの栄養素が増える。また、野菜に含まれる酵素が乾燥時に温められることで活性化し、でんぷんを分解して、ブドウ糖麦芽糖などの糖を生成するため、味が濃くなる。

 

肉を干すと、酵素が乾燥時に温められることで活性化し、グルタミン酸などのうまみ成分の含有量が増える。

 

・メイラード反応のデクリネゾン

糖とアミノ酸が熱によって結合することで起こるので、糖とアミノ酸を含む食材で発生する。メイラード反応が起きた食材を組み合わせると、相乗効果がある。

果物や野菜は細胞が壊れると味が外に溶けだしてくる。浸透圧か加熱によって細胞を壊すことができる。絞った場合は、細胞が壊しきれず、味も十分抽出できない。

 

食材の潜在的な力を引き出す  原始的な火入れ術

 

■鳴神  鳴神正量

・桜マスの炭火焼き ズッキーニのソース 竹の子の付け合わせ

・北海道産白魚とアスパラガスのブルーテ コンソメのゼリー寄せ タイム風

・このわたのフラン フュメ・ド・ポワソンのあんかけ

・蒸しハマグリと、ハマグリの出汁で仕上げたパプリカのソース

・地元兵庫赤穂産の焼き穴子グラッセ 柑橘類のモザイクとキウイのソース

 

感性を影で支える科学

 

■81 永島健

グリーンカレーエスプーマ

 

カルボナーラの再構築

匂いには慣れてしまうので、じわじわと香りを漂わせるために、

卵にオイルと空気を注入する。

 

・生ハム鮪

生魚を脱水シートで水分を抜くと、生ハムのようにねっとりする。

水と一緒に臭みも抜ける。

 

 

■マルゴット・エ・バッチャーレ  加山賢太

コンソメは50度がもっとも香りを強く感じる。

 

ミネラルウォーターでは鉱物の雑味がでて、さらにミネラル分が味や香りの抽出を阻害する。

水素水は、中空糸膜とRO膜フィルターで精製した水に水素を添加したものなので、阻害の恐れがなく、浸透性が増し、うまみ成分が抽出しやすくなる。

 

肉の昆布締め

30分ほど。長すぎるとミネキーさを失う。

 

うま味が強いほど、香りを感じやすい。

 

■虎峰 山本 雅

オイルのパウダー化
マルトセックはタピオカ由来のマルトデキストリン(でんぷんを加水分解し精製したグルコース)
マルトデキストリンは多糖類の一種で、油脂分を吸収するので、油脂に加えるとパウダー化する。
口に入れるとオイルの香りが口内に広がる。

 

ガストロバック(減圧調理器具)で水分を含ませると、身がぷるぷるになる。

 

フォワグラのブリュレ 苺とマンゴーのソース チャイナクレープで包んで

 

 

肉と魚を柔らかく、ジューシーに 火入れするにはどうしたらよいのか?

タンパク質の熱変性

68度 肉に含まれるコラーゲンが変性し始める

66度 肉に含まれるアクチンが変性し始める

60度 長時間加熱すれば、肉に含まれるコラーゲンがゼラチン化する

50度 肉に含まれるミオシンが変性し始める

 

50度 魚の水分が抜け、硬くなる。

45度 魚の水分が流れ始める。

40度 魚に含まれるミオシンが変性し始める。

35度 魚の身が白濁し始める

 

香りの官能試験

料理のように複数の成分が組み合わさっている場合は、装置によって濃度を測定するよりも、人間の嗅覚を使った官能試験のほうが現実的な結果が得られる。

 

目次

「生体制御学」から見るおいしさの法則

 

サルキッチン 内藤泰治

・塩分は体液と同じ濃度が理想 危険センサーの苦味はほどよく 山菜とチーズのリゾット

・うま味は脳に快楽を与える成分 雑味を除去するほど、身体になじむ味になる オマール海老のコンソメ

・肉の火入れの目的は、 細胞を壊し、味を引き出すこと 京都丹波産野生日本鹿ロース肉のロースト

・魚の火入れは、2つの作業を同時に行う必要がある 金目鯛のポワレとトマトのロースト

・煮込みはさまし方でおいしさに差がつく 肉に味がしみ込むのは 50~45 ℃の温度帯 短角牛のすね肉の赤ワイン煮込み

 

旬と時間を駆使した、 「いま」しか味わえない料理

 

レストラン エール 山本英男

・クリスタルパスタ

・発酵ビーツと熟成鹿の冷製ボルシチ

・DNA

・ひつまぶし

・メイラード反応のデクリネゾン

・3種のショートケーキ

 

食材の潜在的な力を引き出す  原始的な火入れ術

 

鳴神  鳴神正量

・桜マスの炭火焼き ズッキーニのソース 竹の子の付け合わせ

・北海道産白魚とアスパラガスのブルーテ コンソメのゼリー寄せ タイム風

・このわたのフラン フュメ・ド・ポワソンのあんかけ

・蒸しハマグリと、ハマグリの出汁で仕上げたパプリカのソース

・地元兵庫赤穂産の焼き穴子グラッセ 柑橘類のモザイクとキウイのソース

 

感性を影で支える科学

 

81 永島健

・落葉の抽象表現

グリーンカレーエスプーマ

カルボナーラの再構築

・生ハム鮪

・黒毛和牛

・ダック&スモーク

 

必要な香りだけをふくらませる引き算と温度

 

マルゴット・エ・バッチャーレ  加山賢太

・0.8番コンソメ

キャビア最中 original

・昆布締めにした仔牛と牡蠣のタルタル

・トリュフ目玉焼きトースト

・SOM TAM la Mère

・フランス・ランド産ピジョンのロースト

 

同系色の食材で味を統一する実験

 

アビス 目黒浩太郎

・白イカ コールラビ 夏みかん

・かぶ フロマージュ・ブラン 白海老

・初鰹 ブルーチーズ

・地金目鯛 ホタルイカ チョリソ

・ピスタチオ よもぎ

・米

 

食感の変化で、これまでにない 組み合わせを成立

 

虎峰 山本 雅

・冷やしリングイネ 四川ソース 新玉ねぎのアイス添え

・ボタン海老とボタン海老のアメリケーヌソース

・海鮮餡のカダイフ揚げ そら豆ソースと桜海老の香りを移したオイルをパウダーにして

・平目のソテー アサリのエキスとアサリとトランペット茸のソース

フォワグラのブリュレ 苺とマンゴーのソース チャイナクレープで包んで

 

★分子調理学者 石川伸一博士に聞く 料理に印象を生み出す科学

★覚えておきたい 加熱の科学❶

★肉と魚を柔らかく、ジューシーに 火入れするにはどうしたらよいのか?

★覚えておきたい 加熱の科学❷

★メイラード反応を使いこなす

★覚えておきたい 加熱の科学❸

★香りと温度は密接に関係している!