akon2.00βのよっぱらいの戯言

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レトリックと詭弁

 

 

英語上達法の本で、上達しているならば、売れ行きは上達した分だけ落ちていかなければならないはずだ。

 

自分のプライドが傷つかないものにのみ、心からの賛美を贈ることができる。

 

議論を制するのは「問い」の技術

→問いは、作った方が優位に立てる
→答えることのできない「問い」
→自分に有利、相手に不利になる言葉を選ぶ
  巧妙に組み立てられた赤シャツの問い

「問い」の打ち破り方

→「答える(answer)」ではなく「言い返す(retort)」

→「はい」か「いいえ」を要求する問いに対して「はい」か「いいえ」で答えるのが「answer」であるならば、「retort」はそのような問いの妥当性を、あるいはそれを問うという行為の是非を問題とする。

 

問いの出し方で相手の答が変わってくる?
→自分の主張を、二者択一の中に紛れ込ませる→責任転嫁
→相手の意図を暴露する

 

問いが機能するのは「答えを必要としない問い」
→相手の言葉を封じてしまう「修辞疑問」→問いの形式をとりながら、答える側に自分の言葉で確認させその言質を取ることを目的とした問いであり、更には答える側が答えることができず沈黙に追い込むための問い。
→では、言い返せないはずの問いに答えるには?
→あえて無理な答えを返してしまう→ 「その問いの内容自体がおかしい」といった対応。


言質を取らせるために発せられる問い
→自分の言葉で確認させ、その言質を取る

 

修辞疑問の一番の狙いは「相手の沈黙」

 

自分の聞きたい答えを、相手の口から言わせる手法
→先手を打ち《retort》する

 

弁護士が証人に反対尋問をするときには、その答えがあらかじめわかっている場合か、あるいはその答えがどうでもいい場合のほかは質問をしてはならない。

グラハム

 

多問の虚偽

→問う側が何らかの前提を置いて質問を行った際、その質問に答えると、問う側の設定した前提を認めてしまうことになることがある

→その前提について否定して言い返すことで対応


どう答えても罪を問われるGPU(ゲーペーウー)式尋問術


立証責任

ある主張に対して、その根拠を説明を立証することは労力がかかることがあります。問いの形式をとることで、立証の責任を強引に相手側に委譲

 

不当予断の問い

相手が思わず答えることで、この立証責任を相手に委譲する問い

 

不当予断の問いの危険性

あまりに簡単に反論できるために、勢い余って立証責任を引き受けてしまいかねない

  

「二者択一」で他の選択肢を封じてしまう

 

どちらも選択できない「二者択一」を組み立てる→ディレンマ

→ディレンマのかわし方

・第三の選択肢を見つける

・どちらを選択しても、その選択に伴う結果の必然ではないと主張する

 

《tu quoque》→「おまえも同じではないか」という論法


《occupatio》→あえて言わないふりをする技術
→否定しながら、それを広める方法

 

目次

◆第一章 議論を制する「問いの技術」

第一話 赤シャツの冷笑――問いの効果 018
  議論を制するのは「問い」の技術
  問いは、作った方が優位に立てる
  赤シャツの問いの秘密
  答えることのできない「問い」
  自分に有利、相手に不利になる言葉を選ぶ
  巧妙に組み立てられた赤シャツの問い


第二話 カンニング学生の開き直り――「問い」の打ち破り方 029
  出された問いをいかに「打ち破るか」
  「答える」(answer)ではなく「言い返す」(retort)
  教師はどう言い返すべきだったのか
  騙すより、騙される方に罪がある?


第三話 北山修の後知恵――論点の摩り替えその1 038
  「問いを出す者の特権」
  ダイアモンドならよくて、ホットドッグがダメな理由
  問いで、相手の答えを変形させてしまう
  

第四話 西行の選択肢―― 二者択一の力 044
  問いの出し方で相手の答が変わってくる?
  崇徳上皇はなぜ激昂したのか?
  自分の主張を、二者択一の中に紛れ込ませる
  相手の意図を暴露するための問いの出し方  


◆第二章 なぜ「問い」は効果的なのか?

第五話 村上春樹の啖呵――相手の答えを封じる問い 054
  あえて問いの形式をとる理由
  問いが機能するのは「答えを必要としない問い」
  そもそもなぜ、問いが効果を発揮するのか?
  相手の言葉を封じてしまう「修辞疑問」
  では、言い返せないはずの問いに答えるには?
  あえて無理な答えを返してしまう


第六話 臼淵大尉の鉄拳――言質を取るための問い 064
  なぜ、わかっていることを聞くのか?
  言質を取らせるために発せられる問い
  西部邁の《retort》
  曾根綾子の修辞疑問への反論
  質の悪い問いを跳ね返す技術


第七話 福田恆存の雪隠詰――相手に沈黙を強いる問い 076
  修辞疑問の一番の狙いは「相手の沈黙」
  問いに答えられないことは、議論では致命的になる
  自分の聞きたい答えを、相手の口から言わせる手法
  あまりにも無防備な大江の《answer》
  先手を打ち《retort》する


◆第三章 相手を操る弁論術

第八話 ナポレオンの恫喝――多問の虚偽と不当予断の問い 086
  豚のスクィーラーの弁論術
  「多問の虚偽」
  どう答えても罪を問われるGPUゲーペーウー〕式尋問術
  思わず相手の術中にはまってしまう、「不当予断の問い」とは?
  

第九話 丸山眞男の対照法――選択肢の詐術 097
  全面講和運動に見る「選択肢の詐術」
  「単独講和」と「全面講和」の命名に隠された意味とは?
  丸山眞男の「選択肢の詐術」
  「二者択一」で他の選択肢を封じてしまう
  丸山眞男の極端な摩り替え


第十話 鳴海仙吉のディレンマ――ディレンマの活用 108
  どちらも選択できない「二者択一」を組み立てる
  ディレンマは、その相手にとってのみディレンマであればいい
  ディレンマのかわし方
  ディレンマはそれでもかわせない?
  思考実験を楽しんでみることも大切


◆第四章 「論証」を極める

第十一話 プラトンの不安――論争における「根拠」 120
  わかりきっていることは、論証できない
  論証の遡行――そもそも自然破壊はなぜ悪い?
  教育においては、野暮な問いにも答えねばならない
  プラトンは、「議論の有害さ」にも気づいていた
  子供に討論の仕方を教えるのは危険?


第十二話 夏目漱石の摩り替え――論点の摩り替えその2 130
  虚偽なのか、虚偽でないのか?
  車屋と教師は、どちらがえらい?
  漱石の反論は、論点の摩り替えか?
  だが、詭弁も虚偽も簡単には判別できない
  

第十三話 芥川龍之介の「魔術」――相手をはめる 140
  言葉を好きなように選びすぎても、説得力を失う
  相手の言葉に従って、思う壺にはまってしまう
  「狡猾」の狡猾なトリック  


◆第五章 議論を有利にするテクニック

第十四話 清水幾太郎の喧嘩――《tu quoque》の技術 150
  「おまえも同じではないか」という論法
  国どうしの争いでは一般的な論法
  《tu quoque》のすすめ
  相手に説明の義務を負わせる
  《tu quoque》を使わないと、事実を歪められてしまう?


第十五話 丘浅次郎の後出し――発言の順番 160
  議論ゲームの手順
  丘先生の「後出し」
  順番を入れ替えただけで議論の勝者が変わってくる
  「後出し」に勝つためには?


第十六話 兼好の嘘――嘘のつき方 169
  嘘は、思わせぶりにつくことで説得力を持つ
  知らぬにこしたことはないのだが
  《occupatio》――あえて言わないふりをする技術
  否定しながら、それを広める方法


第十七話 イアン・カラマーゾフの辞退――具体例を限定する 178
  都合のよい具体例のみが、説得力をもつ  
  イワンはなぜ子供を例に使ったのか?
  本当に言いたいことは別にある?
  神に対する、考えられうる最大の侮辱とは
  イワンの台詞のなかの虚偽
  議論の対象を限定した本当の理由とは?
  イワンが、本当に言いたかったこと


あとがきにかえて――レトリックに詰め腹を切らせる(平成十四年七月十六日 香西秀信) [194-197]
文庫のためのあとがき――論理が効かなくなる「場所」(平成二二年三月八日 香西秀信) [198-202]
引用文献 [203-211]