akon2.00βのよっぱらいの戯言

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逆タイムマシン経営

 

 

僕はいまだに、タイムマシンモデルで食べている。

日本の未来は英語で書かれている。

英語をカタカナにして検索してひっかからなければ当たり。

それを翻訳すればいい。

というわけで、なにに対して「逆」なんだろうと気になって読んでみた。

歴史に学ぼうという昔ながらの話であった。まさに本書で述べている「飛び道具トラップ」に著者自体がはまってしまっているということになる。ただし、歴史書ではなく、史書にあるというのがみそ。そして、過去から相関関係を求めるのではなく、因果関係について論理を知る。つまり、統計データではなく、歴史的事実(ここではファクトフルネスになぞって「パストフルネス」と呼んでいる)のひとつひとつのファクトが生起した背景や状況といった文脈を理解して、それと自分のビジネスの文脈を相対化して、ファクトを自らの文脈にの中に位置づけて考える、「文脈思考」が重要だと述べている。

僕の未来予想が外れるのは、本書で述べられている「同時代性の罠」にかかったときであったと納得した。

 

同時代性の罠

旬の言説や流行は、その時代時代のステレオタイプ的な発想から逃れることは難しく、その時代のど真ん中にいる情報の受け手は、自分たちの思考や判断にバイアスがかかっていることに気がつくことが難しい。その結果、しばしば意思決定を誤ってしまう。

 

飛び道具トラップ

→「これからはこれだけ」という飛び道具めいた言説に飛びつきがち

競合他社との違いをつくるのが戦略であり、

それは他社と異なる活動をすることによって生まれる。

他社よりbetterであってもそれは戦略ではない

by マイケル・ポーター

 

ITは新奇性と即効性がある(かのようにみえる)

戦略が先、ITはあと

 

 

サブスクの本家本元は新聞業界の定期購読であり、手段が目的化して失敗した事例

 

飛び道具トラップのメカニズム

①同時代の空気の土壌の上で

②人々の耳目を引く事例が生まれ

③それを「飛び道具サプライヤー」が煽る中で

④「同時代のノイズ」が発生し

⑤飛び道具が「過大評価」され

⑥関心を持つ人々が成功事例から「なぜ成功したか=成功した企業固有の戦略ストーリーの文脈」を剥離させ

⑦「文脈無視の強制移植」が行われ

⑧「手段の目的化」と「自社文脈との不整合」によって逆機能が起こる

 

飛び道具トラップに陥りやすい人物の特徴

① メディアの情報に敏感な「情報感度が高い人」

② 文脈や論理についてじっくり考えるゆとりがない「忙しい人」

③ すぐに役立つものや、すぐに成果が出るものに飛びつく「せっかちな人」

④ 状況を打開したいが、戦略構想のない「行き詰まっている人」

⑤ 担当業務以外に目が向かず、戦略的な文脈を考慮しない「担当者」

⑥ ルーティンをこなすだけで、戦略構想がない経営者「代表取締役担当者」

 

 

飛び道具トラップの回避

①自社文脈=戦略ストーリーを理解する。

②飛び道具が埋め込まれている事例文脈を理解する。

③飛び道具を抽象化して本質を掴む。

④抽象化した本質を自社文脈に当てはめる。

 

激動期トラップ

→時代の変化を過剰に捉え、「今こそ激動期」という思い込みにとらわれる。

→大きな変化ほどゆっくりあらわれる

→技術は非連続でも、人間は連続的

→激動を錯覚させるテンゼロ論

→ビジネスに革命はない

マジックワードが同時代の空気を増幅する

→文脈思考で激動期トラップを回避する

激動期トラップの中核は文脈剥離なので、文脈剥離しがちな激動案件を

それが埋め込まれている文脈に置きなおして再考する

・文脈思考をするうえで、最も簡便で有効的な方法は、激動案件を自分自身で関連付け、

自分事として考えてみること

 

→大きな変化は振り返ったときにはじめてわかる。

 

遠近歪曲トラップ

→遠いものほどよく見え、近いものほど粗が目に付く

 

日本企業は存在しない。

→一口に日本企業といっても、個別にみていけば経営の中身は千差万別

 

第1部 飛び道具トラップ

第1章 「サブスク」に見る同時代性の罠

第2章 秘密兵器と期待された「ERP

第3章 「SIS」の光と影

第4章 「飛び道具サプライヤー」の心理と論理

第5章 「飛び道具トラップ」のメカニズム

 

第2部 激動期トラップ

第6章 「大きな変化」ほどゆっくり進む

第7章 技術の非連続性と人間の連続性

第8章 忘れられた「革新的製品」

第9章 激動を錯覚させる「テンゼロ論」

第10章 ビジネスに「革命」はない

 

第3部 遠近歪曲トラップ

第11章 「シリコンバレー礼賛」に見る遠近歪曲

第12章 半世紀にわたって「崩壊」を続ける「日本的経営」

第13章 人口は増えても減っても「諸悪の根源」

第14章 海外スターCEOの評価に見る遠近歪曲

第15章 「日本企業」という幻想