DXとはCX(コーポレート・トランスフォーメーション=会社を作り変えること)である。
これだけだったら、別に言葉の言い換えに過ぎないので、読む気にならなかったけど、
DX→IX(インダストリアル)→CXの連鎖のさきに、SX(社会の変容、ソーシャル)、LX(個人の生き方変容、ライフ)が不可逆的にあるというのが興味深い。とはいえ、SXはソーシャルでなくサスティナブルだと思う。
もっとも、僕はPanインダストリアル(筆者では万能工場としている)だと信じているのでIXだとは思わないし、そもそもポストDXはQXだし。
全体として、帰ってきたオブジェクト指向って感じ。レイヤリング、アーキテクチャ、パターンランゲージといずれも聞き飽きた言葉だ。
筆者はデジタイゼーションとデジタライゼーションを使い分けていない気がする。
デジタル化①:具体ではなく、一般化・抽象化・汎用化
デジタル化②:ピラミッド構造ではなくミルフィーユ(レイヤー)構造
DXを味方につける思考法:アーキテクチャを武器にする
サンドイッチで、エコシステム全体の価値を変える
→公共システムは既存システムレイヤーに新しい相互連携を促すキーレイヤーを挟み込みエコシステム全体の価値を変えていく、サンドイッチ型になっていく。
インドの公共システムであるインディア・スタックを構成する、個人認証基盤Aadhaar(アドハー)、統一決済インターフェース(UPI)はまさに、既存システムレイヤーに新しいレイヤーを挟み込むことで、公共政策が進みたい方向へ全体の価値をコントロールしています。
DXに取り組む手順:本棚発想術で作家・編集者になる
→本棚にない本をつくる
本棚、つまり世の中、産業にない本は、本棚のカタチを変えうる。
自社だけでなく、産業を変えうる、つまりIXしうる。
「世界一予約が取れないレストラン」スペインのエル・フジのメンタルパレット(食材×テクニック=そこからできる料理)は興味深い。決め手は「第六感」らしい。
ウォードリー・マップ
縦軸が可視化軸で、顧客から見えるかどうか
横軸がデジタル開発度軸で、技術はあるが独自開発が必要か、製品のカスタマイズが必要か、はたまた、もうプロダクトとして普及しているか、といったデジタル化の度合いをさし、低い状態から高い状態へと時間の経過によって移っていく運命にあると捉える。
インダストリー4.0のリファレンスアーキテクチャRAMI4.0
X軸が現状のピラミッド構造。
Y軸が製品ライフサイクル
Z軸がレイヤー構造
システムズ・オブ・システムズ(SoS)
交通、エネルギー、医療、教育といった分野別のシステムからスマートシティというシステムは構成される。
http://sdm.sblo.jp/article/81972349.html
インディア・スタック
インドのデジタル公共基盤。レイヤー構造(スタック)に対してどのように政府がかかわるべきか。
インディア・スタックのもっとも基礎となるレイヤーがアダール(Aadhaar)呼ばれる個人認証基盤で、個人識別しとなる12桁の数字である。認証には、生体認証(指紋、光彩、顔認証)を使用している。
アダールの上には、e-KYCが乗り、証明書発行や送付、電子署名など様々な機能レイヤーが加わる。決済機能に関しては、UPI(統一決済インタフェース)というメカニズムを導入することで、許可を受けた、あらゆる口座にアドレスがふられ送金などの相互連携を実現している。
iSPIRT(インドソフトウェア製品産業ラウンドテーブル)
インディア・スタックのメカニズムをMOSIP(モジュラー・オープンソース・IDプラットフォーム)としてインド外へも展開する活動をしている
目次
第1章 デジタル時代の歩き方
第2章 抽象化の破壊力―上がってから下がる
第3章 レイヤーがコンピュータと人間の距離を縮める
第4章 デジタル化の白地図を描く
第5章 本屋にない本を探す
第6章 第4次産業革命とは「万能工場」をつくることだ
第7章 アーキテクチャを武器にする
第8章 政府はサンドイッチのようになる
第9章 トランスフォーメーションの時代
解説 本書は全てのビジネスパーソンへの応援的挑戦状