スペキュラティヴ・デザインの次という監訳者の記事を読んで、かぜん、面白く読めた。
問題解決ではなく「問題を提起するデザイン」がスペキュラティヴ・デザインである。
→スペキュラティブを思索と訳すならば、仮説検証のためのひとつのデザインかもしれない。
そして、「未来について考えるきっかけ、『プロヴォカティヴ(provocative:議論喚起的)』を提供する」してくれる。
A/B宣言のBがスペキュラティヴ・デザイン。
未来学者のスチュアート・キャンディによって制作されたもので、PPPP図と呼ばれる図は、現在と潜在的未来を「Probable(起こりそう)」「Plausible(起こってもおかしくない)」「Possible(起こりうる)」「Preferable(望ましい)」の4つのPで示し、未来はポジティヴにもネガティヴにもなりうるが、スペキュラティヴ・デザインはこの振り幅をより大きく豊かにしていく。
コンセプチュアル・デザイン→デザイン形態には以下がある。
スペキュラティブ・デザイン
クリティカル・デザイン(批評的デザイン)
デザイン・フィクション
デザインの未来
反デザイン・ラディカル・デザイン
問いのデザイン
討論のためのデザイン
対立的デザイン
談話的デザイン
フューチャースケービング
コンセプチュアル・デザインは コンセプチュアルな状態にとどまっていることに意味がある。非現実的なことをデザインできるからである。
スペキュラティヴ・デザインとは、思考の場であり、アイデアと理想を試す場。
理想とは、現実的なフィクション。非現実な地図である。
コンセプトと全般的な方向性であり、アイデアはその構成要素でありコンセプトの実行手段である。
建築分野ではアイデアを探求する、ペーパーアーキテクチャ(実際に作ることを意図しない紙面上の建築)からビジョンアーキテクチャ(空想的な建築)がある。
クリティカル・デザイン(批評的デザイン)
クリティカル・デザインは批判的ではなく、批評的思考(クリティカル・シンキング)であり、 批評は否定的な意味を持つわけではなく、柔らかな拒絶である。
クリティカル・デザインは物事の可能性を表明するとともに、既存の「正常さ」のなかに潜む欠陥を浮き彫りにするような代案を出す。
ダークなデザイン。
人間にはダークな面もあり、ネガティブなことも考える。このネガティブをポジティブに利用する。
非現実な地図
地図ではなく、コンパス、つまり、クリティカル・デザインは、物質世界ではなく人々の想像力に働きかけることで、日常生活に対する人々の考え方に疑問を投げかける。我々の世界との対比を描き、日常生活に別の形がありうるのだと気が付かせることで、他の可能性がを絶やさぬよう守り続ける。
実用的なフィクション
アイドルの培養肉を食べるとか、生きた羊で人工透析するとか。
スペキュラティヴ・デザインの非現実生保活かすための方法
・思考実験
・背理法
・反事実的条件法→もしも○○だったらどうなっていただろう
・ もしも○○だったら?
政治思想チャート
横軸に左派(左)←→右派(右)
として、
第一象限はデジタリアン
第二象限は共産核保有主義
第三象限はバイオリベラル
第四象限は無政府進化主義
デジタリアン→暗黙の全体主義
共産核保有主義→ゼロ成長と人口抑制
バイオリベラル→社会民主主義者
無政府進化主義→科学の力で自分自身の能力を最大限に高める。
我々は、単一の文化へとまっしぐらに向かっているため、真の代案を想像するのはもはやほとんど不可能だ。
以下には「ポスト人間中心時代の理性によるデザインより引用」
http://ekrits.jp/2017/06/2325/ より引用。
Anti-Mac |
Post-Mac |
|
Metaphors |
Reality |
Simulacra |
Direct manipulation |
Delegation |
Both |
See anシステムd point |
Describe and command |
See and point |
Consistency |
Diversity |
Consistency |
WYSIWYG |
Represent meaning |
Represent meaning |
User control |
Shared control |
Shared control |
Feedback and dialogue |
System handled detail |
Feedback and dialogue |
Forgiveness |
Model user actions |
Forgiveness |
Perceived stabiity |
Change |
Predictable change |
Aesthetic integrity |
Graphic variety |
Aesthetic integrity |
Modelessness |
Richer cues |
Richer cues |
A-B-C Design
A |
B |
C |
Affirmative(肯定的) |
Critical(批評的) |
Alternative(代替的) |
Problem solving(問題を解決する) |
Problem finding(問題を発見する) |
Questioning problem(問題を問題にする) |
Provides answers(答えを提供する) |
Asks questions(疑問を提起する) |
Change premise(前提を変える) |
Design for production(生産のためのデザイン) |
Design for debate(討論のためのデザイン) |
Design for boundedness(有限性のためのデザイン) |
Design as solution(解決策としてのデザイン) |
Design as medium(手段としてのデザイン) |
Design as algorithm(アルゴリズムとしてのデザイン) |
In the service of industry(産業界のため) |
In the service of society(社会のため) |
In the service of others(他者のため) |
Fictional functions(虚構的な機能) |
Functional fictions(機能する虚構) |
Fictional implementations(虚構的な実装) |
For how the world is(今ある世界のため) |
For how the world could be(実現しうる世界のため) |
For how the world must be(あるべき世界のため) |
Change the world to suit us |
Change us to suit the world |
Change both us and the world |
Science fiction(サイエンス・フィクション) |
Social fiction(ソーシャル・フィクション) |
Engineering fiction(エンジニアリング・フィクション) |
Futures(未来) |
Parallel worlds(並行世界) |
Umwelt / Pluriverse(環世界 / 多元宇宙) |
The “real” real(「現実的」な現実) |
The “unreal” real(「非現実的」な現実) |
The ”unknowable" real(「不可知」な現実) |
Narratives of production(生産の物語) |
Narratives of consumption(消費の物語) |
Narratives of housekeeping(家政の物語) |
Applications(応用) |
Implications(意味合い) |
Compromises(折衷) |
Fun(楽しみ) |
Humor(ユーモア) |
Calm(平穏) |
Innovation(イノベーション) |
Provocation(刺激) |
Reflection(内省) |
Concept design(コンセプトのデザイン) |
Conceptual design(コンセプチュアルなデザイン) |
Ontological design(存在のデザイン) |
Consumer(消費者) |
Citizen(市民) |
Alien(エイリアン) |
Makes us buy(買わせる |
Makes us think(考えさせる) |
Makes us flexible(しなやかにさせる) |
Ergonomics(人間工学) |
Rhetoric(レトリック) |
Metaphor(メタファ) |
User-friendliness(ユーザフレンドリ) |
Ethics(倫理) |
Reason(理性) |
Process(プロセス) |
Authorship(オーサーシップ) |
Agency(主体性) |