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ビックヒストリー 

ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史

ビッグヒストリー入門-科学の力で読み解く世界史-

ビッグヒストリー大図鑑:宇宙と人類 138億年の物語

 

「サピエンス全史をどう読むか」の「『サピエンス全史』を楽しむためのブックガイド」にあったので読むことにした。「ビックヒストリー」があまりに厚いので、ショートカットしょうとして「ビックヒストリー入門」から読み始めたが「ビックヒストリー大図鑑」は文字通りの図鑑だが、別段、ビックヒストリー」も図解が豊富なので必須ではない。結局のところ、いまから読むなら「オリジン・ストーリー」なんではないか疑惑。

 

宇宙論、生物学、化学などの自然科学と歴史学、地理学、社会学などの人文社会学が融合した「新しい学問」。

ビッグヒストリーとは、宇宙の始まりから終わりまで、宇宙が始まって138億年、地球が誕生して46億年、スレッショルド(訳者は著者はthresh+holdと発音していると書いているように、ずっとスレッシュ・ホゥルドだと思っていた)、閾値の閾だが、大跳躍としている。意味としては、「以前にはなかった複雑さ(complexity)が出現する上位世界への大跳躍」としている。

8つの「スレッショルド」、①宇宙、②恒星 ③新たな化学元素 ④太陽、太陽系、地球の誕生 ⑤生命の誕生 ⑥ホミニン、人間、旧石器時代 ⑦農業のはじまり ⑧アントロボシーン(人新世)があった。

 

歴史は「単純なものから複雑なものへ」という時間的発展。
ところどころに段差があるので、大跳躍が必要。
そして、段差を大跳躍すると、それ以前になかったほど複雑な世界が開けていて、
その世界になって初めて現れてくる新しい特性を「エマージェント・プロパティ」という。

 

宇宙は最初のうちは、超高温で、時間、空間、物質、エネルギーが渾然一体だった。

温度が下がるにつれ、塊ができ、「複雑さ」が始まり、時間、空間、物質、エネルギーに分化していった。

さらに物質を作る元(原子)の元となる陽子と電子も分化してくる。

ゴルディロックス条件」、「暑すぎず寒すぎず、ちょうど良い」条件で、

地球という特異な天体に生命体という特異な化学物質が発生した。

つまり、熱いものがもっと熱くなったり、冷たいものが熱くなっていたら発生しなかったかもしれない。

暑かったものが冷めることによって発生した陽子と電子は、陽子は電子より1840倍重い。

この1840倍は偶然ではなく、必然性があるに違いない。

一番大きな世界には、たくさんの宇宙(多元宇宙、マルチバース)があり、1840倍でない宇宙には、陽子も電子もなく、物質も生命もないかもしれない。

 

1章は「宇宙史(地球前史)」、2章は「地球史」、3章は「生命史」、4章は「人類史」、5章以降は「人間史」とすると、13章は「全未来史」である。

 

ビックバン→恒星→様々な元素(超新星)→惑星(地球)→生命(地球生命)(ホミニン)→人間→農業→現代スレッショルドの出現頻度がだんだん短くなっている。

全生物の最後の共通祖先はLUCA、ホミニンは、人間を含めて、チンパンジーとの共通祖先から分かれたのちのこの枝(系統)の全種、人類とは、ホモ属の絶滅種(化石人類)と現生種(現生人類)だけを指す。

現生人類はヒト、人間、ホモ・サピエンスしか残っていない。

人間が出現以前の生命は、緩やかな進化による複雑さの増大にとどまっていた。

人間は急速な進歩による複雑さの増大が特徴であり、この「急速な進歩」をする能力こそ、エマージェント・プロパティたり得た。

この人間固有の能力を「コレクティブ・ラーニング(集団的学習)」という。

コレクティブ・ラーニングは、遺伝子の突然変異と自然選択にもとづく「緩やかな進化」ではなく、イノベーションとコミュニケーションによる「急速な進歩」を可能にしている。

まとめ

8段階の複雑さが増大するスレッショルド
スレッショルド→構成要素→構造→ゴルディロックス条件→エマージェント・プロパティ
1.ビッグバン:宇宙の起源
→エネルギー、物質、空間、時間(私たちの宇宙にあるすべて)
→急激に膨張する時空の連続体内に存在するエネルギーと物質
→不確定:多元宇宙内の量子揺らぎの可能性
→私たちのまわりのあらゆるものを生みだすポテンシャル

 

2.恒星
→水素(H)原子、ヘリウム(He)原子および(または)その原子核の形で存在する物質
内核(核融合):外層には水素(H)およびヘリウム(He)とともに鉄にまで至る他の元素が次第に形成され蓄積する
→初期宇宙における密度と温度の勾配+核融合に十分な高温を生みだす重力
→新たな局所的エネルギーの流れ:銀河:核融合による新たな化学元素を生成する能力

3.より重い化学元素
→水素の原子核(すなわち陽 子)とヘリウムの原子核
→強い核力によって結合した陽子の数が増えて、徐々に大きくなる原子核
→「星の一生」を終えつつある恒星が生みだす極度の高温、あるいは超新星による(さらに極端な)高温+強力な核力
→主に電磁気力による、新たな種類の物質をほぼ無限に生み出す化学結合の能力


4.惑星
→恒星を周回する軌道に集まった新たな化学元素と化合物
→重力と化学的作用により結合した多様な物質が、規則的に恒星を周回する大きな球状の物質になる
→「星の形成場」のある領域に重元素が徐々に蓄積してくること
→物理的・化学的に、一層複雑化し、より一層の化学的な複雑を生み出す能力を持つ新たな天体


5.生命
→複雑な化学物質+エネルギー
→複製可能な細胞内の化学的・物理的に結合した複雑な分子
→豊富に存在する複雑な化学物質+ほどよいエネルギーの流れ+水のような液体媒体+適切な→新陳代謝(エネルギーを獲得する機能):生殖(ほぼ完全に自身の複製を作る能力):適応(自然選択を経て現れるゆるやかな変化と新しい形態の登場)

6.ホモ・サピエンス
→物質的には他の生物と同じ:高度に発達した器用さと知覚力および神経系の能力
→ヒトDNAが支配する、ヒト種特異的な生物学的構造
→長い進化の期間を経て形成された、高度に発達した器用さと知覚力および神経系の能力
→コレクティブ・ラーニング、すなわち情報を正確かつ迅速に共有し、コミニュティおよび種のレベルでの情報蓄積を可能とし、長期にわたる歴史的変化をもたらすような能力のこと


7.農業
→コレクティブ・ラーニング(集団的学習)の増進→環境や他の生物を上手に扱い、それらから資源を得る工夫をする能力の増大
→周囲の状況に新たな方法で対処するのに必要な情報を共有する人間のコミュニティ
→長いコレクティブ・ラーニンニングの期間:気候の温暖化:人口圧力
→エネルギーと食料を得る人間の能力の増大→コミュニティの規模拡大と高密度化→社会の複雑さの増大→コレクティブ・ラーニングの加速


8.現代世界/アントロボシーン
→クローバリゼーション:コレクティブ・ラーニング(集団的学習)の急激な加速:イノベーション:化石燃料の使用
→生物圏を扱う能力の急激な加速とともに、世界全体で結びつく人間のコミュニティ
→地球規模で加速するコレクティブ・ラーニング
→人間による資源利用の大幅な増大→まったく新しい生活のありかた→社会関係→生物圏を変化させる能力を持つ、地球の歴史上初の単一の種


目次

序章 ビッグヒストリーの概要と学び方
第1章 第1・第2・第3スレッショルド:宇宙、恒星、新たな化学元素
第2章 第4スレッショルド:太陽、太陽系、地球の誕生
第3章 第5スレッショルド:生命の誕生
第4章 第6スレッショルド:ホミニン、人間、旧石器時代
第5章 第7スレッショルド:農業の起源と初期農耕時代
第6章 小スレッショルドを経て:都市、国家、農耕文明の出現
第7章 パート1 農耕文明時代のアフロユーラシア
第8章 パート2 農耕文明時代のアフロユーラシア
第9章 パート3 農耕文明時代のその他のワールドゾーン
第10章 スレッショルド直前:近代革命に向けて
第11章 第8スレッショルドに歩み入る:モダニティ(現代性)へのブレークスルー
第12章 アントロポシーン:グローバリゼーション、成長と持続可能性
第13章 さらなるスレッショルド?:未来のヒストリー
「ビッグヒストリー」を味わい尽くす[長沼毅]
https://www.akashi.co.jp/files/books/4421/4421_sample_p001-009.pdf