本書の原題は"Carrots and Sticks(アメと鞭)"。
英語ではニンジンと棒というのが面白い。
セイラーのリンゴは、「時間不整合」選好を浮き彫りにした。
コミットメント契約を使って自分を操作できる
stikK.com
・利用者は完全に自発的に目標を決め、契約を構成する
・契約の厳しさは、金銭をかけるか、サボータをつけるか、審判をつけるか
・失敗の指標
-報告期日から48時間以内に報告しない場合
-コミットメント遵守に失敗したと報告した場合
-審判ありで、審判が失敗したと判断した場合
・失敗した場合の掛け金は利用者が好きな慈善団体に寄付
自我蕩尽
自制心は限られたリソースであり、使いすぎると枯渇する
すぐ欲しい自分(ホーマー)と論理的に辛抱する自分(スポック)の内なる闘争
→コミットメント契約を使ってスポックでいられるようにする。
コミットメント契約はいつ必要か、使う見込みが高いのはいつか、どのような仕掛けにすればよいか。
双曲割引
遠い将来なら待てるが、近い将来ならば待てない。
インセンティブは行動に「値づけ」して「選択肢のどれかに誘導する」もの。
コミットメントは「考えられる選択肢を選択からなくしてしまう」もの。
すなわち、将来のよろしくない行動に「選択制約」をかける
コミットメントのひとつの方法は、「拒否できないような提案」をすること。
・ひどすぎる鞭
・よすぎるアメ
インセンティブとコミットメントの違いは、抑止性
アメや鞭で行動は変わる。
ただ、コミットメントを成功させるには損失忌避という人間の性質を考慮したフレーミングなど、細部に注意を払うのが重要。
損失忌避
人はすでに手元にあるものを手放すのが大嫌い
損失は利益より大きく見えてしまう
例外はそれ自体がきちんと定義されていなくてはいけない。
法は「決まり」と「目安」を分ける。
決まりというのは具体的な命令だ。
定期的な自己モニタリングは、「意識化」フィードバックを与えるので重要。
適切な困難さのある正しい目標を選択すること、さらにその目標に柔軟性を含めておくことも、コミットメントをはじめるときにきわめて重要。
コミットメント契約は、たとえば政府が推進することで信頼性を与え、メッセージを発したり、ウソや不正確な発言を減らすコミュニケーションツールにもなる。
幸福の追求は人が求める究極のものだが、でも信頼できるコミットメントは外的に検証できる行動や事象に限られる。
幸福は内面的なものだから、コミットメントのレーダーにはひっかからない。
人生には、インセンティブやコミットメントの手の届かないままにしておいたほうがいい領域もある。
行動ポイント
・コミットメント契約を1つ実践して効果検証する
・コミットメント契約を作成する際は「何に対し?」「だれに対し?」「どんな結果で?」を意識する
・コミットメント契約を作成する際は、柔軟性を持たせる