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分子調理の日本食

 

分子調理の日本食 (Make: Japan Books)

分子調理の日本食 (Make: Japan Books)

 

 

分子調理研究会というのがあるようだ。
https://www.molcookingsoc.org/

 

うまくなるという研究ではなく、「映え」の研究だな。

 

英訳を併記しているあたりはアカデミア。

オライリーMake: Japan Booksは全部そうなのかな。

 

1 ゲル化

ゲル→大量の液体を含む固体の状態

ゲル化→流動性のある液体が高い粘性を持ち、固体になること。

ゲル化剤→ゼラチンや寒天

 

・スノードームふろふき大根

ジェランガンガムゼリー→透明度の高いゲル化剤

・耐熱ゼリー天ぷら

→ジェランガンガムゼリーは200度になっても溶けない

・カレーライス麺

→カレーライスにジェランガンガムゼリーを加えてチューブに入れて固め、その後チューブから中身を取り出すと、麺状になったカレーライスがでてくる。

 

2 熱ゲル化

→加熱によって食材をゲル化させる性質を持つゲル化剤があり、この作用。

 

・ 温めると固まり、冷やすと溶けるけんちん汁

液状の汁にメチルセルロースを加えると固体になる。

冷やすと液体になる。

・ 変わりすぎ助六寿司

油揚げにメチルセルロースを加えて焼くと油揚げの「紙」になり、これですし飯を包めばクレープのようないなりずしができる。同様にガリで折り鶴が作れる。

・逆ロールキャベツ

 ひき肉にメチルセルロースを加えて焼くと肉のシートができ、これでキャベツのゼリーをまく。

 

3 球状化

一瞬で薄いゲルの膜が形成され、液体が包み込まれて球の形になること。

その膜はアルギン酸とカルシウムイオンの化学反応によってできたもの。

アルギン酸が入っている液体を、カルシウム水溶液に滴下すると、溶液同士は混ざり合わず、両者の間に膜ができて、アルギン酸塩の水滴は球体になる。

人工イクラがその事例。

 

・水炊きに添えるフレーバーキャビア

フレーバーキャビア→薄い膜に包まれた小さな米粒大の球体で、なにかに調味料の液体が入っている。

・ お吸い物球体

お吸い物が入った球体を口に含んで舌の上で割ると、出汁のうまみが広がる。

大きな球体をつくるには、アルギン酸塩溶液をカルシウム水溶液に浮かべる。

・ 色が変わる卵かけごはん

ターメリックを球状にして、卵の白身の上に載せると、アルカリ性白身ターメリックのクルクミンが反応して、黄色からてっぺんに向かってグラデーション状に赤みを帯びていく。

 

4 泡化、炭酸化

食品に気体を入れると、食感が軽く、風味が豊かになる。

エスプーマという亜酸化窒素を使って食材を泡状にする調理法、調理器具。
日本では、亜酸化窒素の使用が規制されている。

・蕎麦プーマ

蕎麦粉のエスプーマ

・スパークリング手巻き寿司

水に砂糖と塩を入れて、ごはんにかけて、エスプーマ。酢を入れない。

水に砂糖と塩を入れて、ネタも同様にエスプーマ

・エアあんみつ

液状のあんをエスプーマ

 

5 架橋化

橋を架けるように分子と分子の間を結合させること。

このことによって食材が化学的に結合し、従来と異なる構造をもつ料理になる。

トランスグルタミナーゼはタンパク質分子同士を結合させる酵素

 

・ハイブリッド刺身

まぐろ、たい、サーモンをトランスグルタミナーゼで結合

 ・イナゴハンバーグ

トランスグルタミナーゼでイナゴを結合

 ・かつお節酒器

 かつお節をトランスグルタミナーゼで結合させ、酒器としてつかうと

かつお節の風味を日本酒が含み、お酒の風味が増す。

 

6 乳化

水と油のように本来混じり合わない液体が均一に混合される状態。

混じり合ったものをエマルションという。

乳化を助ける乳化剤には、レシチンが使われる。

 

・ 飲むポテトサラダ

サラダ油と下茹でしたじゃがいもに大豆レシチンを加えて攪拌する。

・ さばのエマルション煮三種

さばとアマニ油に大豆レシチン

超音波乳化ラーメン

ラーメンのスープにラー油を加えて、超音波ミキサーで超音波を照射

 

7 実験器具利用化

・超冷やし中華

-196度の液体窒素で瞬間冷凍したスープとごま油の氷粒をかけて食べる。

・まさに“いちご大福”

いちごを攪拌して、遠心分離器にかける。

・おでんですよ! 肉じゃがですよ! すき焼きですよ!

ロータリーエバポレーターで煮汁を濃縮する。

 

目次

1 ゲル化

    ( Recipe_01 ) スノードームふろふき大根

    ( Recipe_02 ) 耐熱ゼリー天ぷら

    ( Recipe_03 ) カレーライス麺

 

2 熱ゲル化

    ( Recipe_04 ) 温めると固まり、冷やすと溶けるけんちん汁

    ( Recipe_05 ) 変わりすぎ助六寿司

    ( Recipe_06 ) 逆ロールキャベツ

 

3 球状化

    ( Recipe_07 ) 水炊きに添えるフレーバーキャビア

    ( Recipe_08 ) お吸い物球体

    ( Recipe_09 ) 色が変わる卵かけごはん

 

4 泡化、炭酸化

    ( Recipe_10 ) 蕎麦プーマ

    ( Recipe_11 ) スパークリング手巻き寿司

    ( Recipe_12 ) エアあんみつ

 

5 架橋化

    ( Recipe_13 ) ハイブリッド刺身

    ( Recipe_14 ) イナゴハンバーグ

    ( Recipe_15 ) かつお節酒器

 

6 乳化

    ( Recipe_16 ) 飲むポテトサラダ

    ( Recipe_17 ) さばのエマルション煮三種

    ( Recipe_18 ) 超音波乳化ラーメン

 

7 実験器具利用化

    ( Recipe_19 ) 超冷やし中華

    ( Recipe_20 ) まさに“いちご大福”

    ( Recipe_21 ) おでんですよ! 肉じゃがですよ! すき焼きですよ!