akon2.00βのよっぱらいの戯言

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心の仕組み

 

 

人類史の九九パーセントは狩猟採集生活。つまり、現代の文明は一パーセントしか適応していない。

 

書かれていないこと

・モラル・ダムファウンディング(悪いと知りながらなぜか悪いことをしてしまう)

・進化発生生物学

・エビジェネティクス

・神経可能性

 

認知科学(心の演算理論)と進化生物学(自然淘汰による進化論)が合体した進化心理学による、心の説明である。

 

心とは、自然淘汰を経て設計されたニューラル・コンピューター。

心とは、複数の演算器官からなる系であり、この系統は、狩猟採集によって生きていたわれわれの先祖が、日々の問題を解決しながら進化する過程で、自然淘汰によってつくり出されてきた。

 

ロボットをつくるための課題

・視覚に映る世界を物体に切り分ける

・それがなにでできているか

・奥行きは?

・認識した物体の名前や用途は?


 運動を制御できる奇跡

 フレーム問題

 愛情とロボットの相性

 心は独創的な装置 の集まりである

精神活動を逆行分析する

 心の演算理論

 心は専門化した複数の器官からなる系

 心的器官の設計は遺伝子プ ログラムに依存する

 自然淘汰が心的器官を設計する

 サルの心と人間の心の違い

 人類史の九九パーセントは狩猟採集生活

 心の究極の目的は遺伝子コピー数の最大化である
心理学的正しさ

 人間の本質を否定するゆがみ

 心は普遍的構造をもつ

 自然は人間を運命づけない

  納得するのと許すのはべつ

 科学と倫理を混同する有害さ

 

 

第一章 心の構造 -情報処理と自然淘汰

ヒトの心は脳の産物であり、思考は脳の演算処理の一つ。

情報を処理する上で、複数のモジュールがそれぞれ特定の目的をもって設計されており、外界との相互作用を受け持つという。

これだけ精妙なモジュール性が生まれたのは、進化的適応。

外界の環境を把握し、どれほど適応できるかが、種にとって生存と繁栄の鍵を握る。

 

汎用性よりも状況依存的なシステムの方が効率的(フレーム問題)

自然淘汰で生き残ってきたのは、生存や繁殖にダイレクトにかかわる問題ごとにチューニングされたモジュール的な情報処理システム→心

 

 

第二章 思考機械 -心を実感するために
心の機能は、演算装置で構成されている。心は、情報をシンボル化して理解しており、また、抽象度が異なる概念を扱えるようになっている。これによって無限の思考が可能になる。但し、生きるに必要な判断に無限の時間をかけるわけにはいかず、意識が情報のコストを考えて行う演算を決定する。

 

第三章 脳の進化 ー我ら石器時代
心の機能は、遺伝が何代にもわたって繰り返される中行われた自然淘汰によって形成された。人間の知性は、進化の頂点ではなく、単なる一つの形態に過ぎない。

 

第四章 心の目 - 網膜映像を心的記述に転じる
立体視は、右の目の情報と左の目の情報を脳が分けて認識できるようになる生後3-4ヶ月頃に出来るようになる。立体視を含め、網膜映像を心的記述に転じるに当たっては、不足情報の補足、過去のデータとの照合を行う等の方法を駆使しており、視覚の仕事というよりは脳の仕事である。


第五章 推論 - 人は世界をどのように理解するか
人間は、情報をカテゴリー化する。コストは掛かるが、その方が情報処理がしやすい。抽象的な思考は、言語をメタファーにして行っている。隠れているものを類推する能力、数の大小を認識する力、加減算の能力あたりは、生得的に持っている。判断力は、科学的とはいえないが、そこそこの精度はある。


第六章 情動 -遺伝子の複製を増やすために-
感情に対する表情は人種を問わず共通であり、人間の感情は全人類で共通だと思われる。感情と理性は、不可分で、心の中でも連携して機能する。また、三歳以降に新しく食べる物に対する嫌悪感、一通りの恐怖心は生まれつき備わっている。


第七章 家族の価値 - 人間関係の生得的動機
自然淘汰で形作られた心が、種々の人間関係の中で、どう感じ、どういう利害でどう働くのか。基本的には、自分の遺伝子、もしくはなるべく近い遺伝子を持つ子孫をなるべく多く残す方向で動く。血縁が近ければ、そこには愛情、連帯感が生まれ、協力関係になる。同時に兄弟姉妹においては、親の愛を争う関係になる。男と女では、自らの遺伝子を最大限に残すための戦略は異なり、基本的には、男が競い女が選ぶ関係になる。

 

第八章 人生の意味 -非適応的な副産物
芸術、哲学、宗教等の高尚な精神活動と呼ばれるものは、いずれも生物的に適応的なものではなく、芸術は快感のツボを巧妙に刺激する制作物、宗教は解けない謎を説明するステイタスに関係するもの、哲学は人間がまだ対処する能力を持たないものと整理できる。

 

上巻と下巻で訳者か違う。

 

第一章 心の構造―情報処理と自然淘汰
・ロボットをつくるための課題
運動を制御できる奇跡

フレーム問題

愛情とロボットの相性

心は独創的な装置の集まりである

・精神活動を逆行分析する

心の演算理論

心は専門化した複数の器官からなる系

心的器官の設計は遺伝子プ ログラムに依存する

自然淘汰が心的器官を設計する

サルの心と人間の心の違い

人類史の九九パーセントは狩猟採集生活

心の究極の目的は遺伝子コピー数の最大 化である

・心理学的正しさ

人間の本質を否定するゆがみ

心は普遍的構造をもつ

自然は人間を運命づけない

納得するのと許すのはべつ

科学と倫理を混同する有害さ


第二章 思考機械―心を実感するため

2章、心の演算理論について
チョムスキーやフォーダーの心のモジュール仮説、心的言語説が前提となっている*1。
コネクショニズム

認知言語学的な考え方

サールの中国語の部屋に対する反論

サールは、表象と外界との結びつきは、プログラムからは生じないって話をしていると思うのだけど、ピンカーは表象と外界は、当然因果的に結びついているという前提があるから、話噛み合ってない気がする。


次いで、意識についてもさかれている。ここは、ジャッケンドフとブロックによる整理をひっぱってきているのだけど、よくまとまっていてとてもよい。意識のハードプロブレムは全然解けてないってあっさり認めているのもよい。

 

・宇宙のどこかに知的生命体はいないのか

知能を成立させるものは〈情報〉

心的言語の仕組み
・自然演算
「原因説」と「推論的役割説」

心の演算理論と人工知能はべつである

なにが神経科学の対象となるべきか

心的表象の組み合わせが無限の思考を生む

脳は四種類の表象形式を操作する

階層構造をもちつつモジュール化する心
・反論に答える
ペンローズの反論
・機械が肩代わり
ニューロンモデルでみる脳の仕組み

自動結合装置の五つの特徴

神経回路モデルの最前線

・コネクトプラズム
神経回路を〈構造化〉する

心は個体をやすやすと認識する

心的表象には合成カ がある

個体認識と合成力の組み合わせから生じる能力

再帰」という心的機能

人間は二種類のモードで思考する

連合説の短所を点検する意味
・アラジンのランプ

情報の三つのコスト

アクセス・意識の四つの特徴

直覚は科学的に説明できない


第三章 脳の進化――われら石器時代
3章、進化理論について
生命をこれだけうまくデザインできるのは自然淘汰だけであり、それ以外の説が不十分であることを示す。例えば、ラマルク説、突然変異説遺伝的浮動説、複雑系である。
昆虫の翅がどう進化したかの話や、進化と学習が互いに互いを導く場合がある話とか面白かった。
円城塔の「内在天文学」に出てきた「認知的ニッチ」という言葉も出てくる。人間の認知システムが、何かに特化したものではなく汎用性のあるシステムになったのは何故かという話
それから面白かったのは、いわゆるミッシング・リンク説への批判というか、ミッシング・リンクに見えるような空白は、発見された証拠が少ないというか、便宜的に種とするときに近い方に統合しちゃうから空いてるように見えるのであって、実際そうでもないはずという話
あと、ミーム批判。ミームは進化より疫学じゃねとか。

・賢くなる

脳は進化の最終ゴール

・生命の設計者

自然淘汰のみが精巧な生命体を出現させる

自然淘汰の証拠

ダーウィン批判派を検討する
・盲目のプログラマー
・本能と知能
ヒトは動物より多くの本能をもつ
・認知的ニッチ
・なぜ、認知的ニッチに入ったか
・現在知られる石器時代
ヒトの進化史を再構築する
・つぎは、どうなる

ミーム


第四章 心の目―網膜映像を心的記述に転じる
・ディープ・アイ
両眼視

立体視の方法

壁紙ステレオグラム

脳が解決している問題

立体視するための脳の働き

赤ちゃんは生後三~四カ月目に立体視をはじめる

立体視は心の 仕組みを知るパラダイム
・光、影、形
網膜像が外界を再現する方法

素材を推測する方法

満月が平らな円盤に見える理由

心は専門家のネットワーク
・2 1/2次元で見る

・準拠座標系
乗り物酔いの原因

心は形をどう記述するか
・動物クッキー
パターン連想型の神経ネットワーク

きき手と心的回転

脳は記憶し、回転させ、 座標軸をつかう
・心的イメージ

視覚と心的イメージは脳の部位を共有する

心的イメージは画像か記述か

心的イメージは概念の代わりになれない

第五章 推論―人は世界をどのように理解するか

5章、推論の話
カテゴリーわけの話とか統計の話とか
人間は空間的なメタファーを色んな概念に転用していて、実は抽象的な思考なんてしていないんだという話

 

 

 

生態学的知能
・カテゴリー化
人間は二種類のカテゴリーをつくる

あいまいなカテゴリー

純粋なカテゴリーはフィクションか

民族集団の統計で個人を判断する誤り
・生得的な認識方法
赤ちゃんは何を物体とみなすか

本質についての直観

人工物と自然物の銘記の仕方のちがい

他人の心を知る心の働き
・三学科
心は裏切り者検知装置を備えている

数学的直観力

確率に敏感な本能

人類は見込みの能力に欠けているか
・メタファー的な心
思考の言語を進化させたプロセス

視覚が数学的思考に転用される
・天才について


6章と7章
情動が不随意的なのは、シグナルとしての信頼性を高める手段。

第六章 情動――遺伝子の複製を増やすために
・普遍的な情熱
・感じる機械
情動は動物時代のなごり?

感情と思考は明確に区別できない
・郊外住宅地というサバンナ
・思考の食べ物
なぜ食べ物に対する嫌悪感があるのか

食べ物のタブーの意味とは
・恐怖のにおい
・幸福の心理
・人生は短い
・我と汝
利己的な遺伝子が愛情を生む

遺伝子と感情移入

道徳感は互恵ゲームからつくられる

親切はただの営業戦術?
・終末兵器
報復の衝動

なぜ感情が顔に出るのか
・ほれっぽい人

・感性の社会
・自分をだます


第七章 家族の価値――人間関係の生得的動機
・親類縁者
継親は残酷な人間か

血縁者どうしの殺人事件は少ない

夫婦の遺伝的利害は同じ

全体主義は家族と相いれない
・親と子
親と子の対立は子宮のなかから

エディプス・コンプレックスを否定する

親が子どもの人格を形成するのか

親と子の利害の衝突
・兄弟と姉妹
インセスト回避
・男と女
なぜ二つの性があるのか

セクシュアリティが形成された条件

男はより多くの性的パートナーを求める

男性はその気になりやすい

男の性的欲求は際限がない
・夫と妻奴

配偶者に求める資質とは

何が性的魅力になるのか

男の嫉妬、女の嫉妬

進化心理学フェミニズム
・ライバル
評判という優位性を守るために

ステイタスへの渇望
・友人と知人

友情はなぜ進化したか
・味方と敵
戦争の論理と心理

人間性

第八章 人生の意味―非適応的な副産物

8章は、有名な「聴覚のチーズケーキ」が出てくる章。
ここまでの章では、人間の心にそういう機能なりなんなりが備わっているのは、適応的だからだと説明されてきたわけだけど、ここでは一転して、適応的ではないものについて取り上げられる。
すなわち、芸術、宗教、哲学である。
芸術、特に絵画とか音楽とかは、適応のもたらした副産物である、と。チーズケーキが美味しいと感じるのは、チーズケーキを美味しいと感じることが適応的だからではない(人類が進化してきたアフリカのサバンナにチーズケーキはないわけだし)。糖分とか油分とかを感知する能力が適応的で、そういった能力があることをうまく利用して、美味しく感じるように作られたのがチーズケーキ。絵画や音楽も同じ。絵画や音楽を作ること自体が適応的だったのではなく、適応的な色々な能力を使って心地よく感じるものを(副産物として)作ったのが芸術。
哲学や宗教については、色々と人間にはよく分からないことがあって、それを説明するために作り出されたものなんだけど、人間の持っている認知・推論能力は、哲学的・宗教的問題を解明するようにはデザインされていないので、それらの問題は多分解けない。

 

 

・芸術は快楽中枢を刺激する
・芸術とエンタテインメント
普遍音楽文法

音楽が刺激する六つの精神機能

人生は芸術を模倣する

芸術の「充満性」
・何がそんなにおかしいのか?

ユーモアの三つの要素

ユーモアとは何か?

友人関係におけるユーモア
・思いもよらないことを追求する探究心
解決できない問題

認知装置が欠けている

 

===

 

目次
第一章 心の構造―情報処理と自然淘汰
・ロボットをつくるための課題
運動を制御できる奇跡

フレーム問題

愛情とロボットの相性

心は独創的な装置の集まりである

・精神活動を逆行分析する

心の演算理論

心は専門化した複数の器官からなる系

心的器官の設計は遺伝子プ ログラムに依存する

自然淘汰が心的器官を設計する

サルの心と人間の心の違い

人類史の九九パーセントは狩猟採集生活

心の究極の目的は遺伝子コピー数の最大 化である

・心理学的正しさ

人間の本質を否定するゆがみ

心は普遍的構造をもつ

自然は人間を運命づけない

納得するのと許すのはべつ

科学と倫理を混同する有害さ


第二章 思考機械―心を実感するため
・宇宙のどこかに知的生命体はいないのか

知能を成立させるものは〈情報〉

心的言語の仕組み
・自然演算
「原因説」と「推論的役割説」

心の演算理論と人工知能はべつである

なにが神経科学の対象となるべきか

心的表象の組み合わせが無限の思考を生む

脳は四種類の表象形式を操作する

階層構造をもちつつモジュール化する心
・反論に答える
ペンローズの反論
・機械が肩代わり
ニューロンモデルでみる脳の仕組み

自動結合装置の五つの特徴

神経回路モデルの最前線

・コネクトプラズム
神経回路を〈構造化〉する

心は個体をやすやすと認識する

心的表象には合成カ がある

個体認識と合成力の組み合わせから生じる能力

再帰」という心的機能

人間は二種類のモードで思考する

連合説の短所を点検する意味
・アラジンのランプ

情報の三つのコスト

アクセス・意識の四つの特徴

直覚は科学的に説明できない


第三章 脳の進化――われら石器時代
・賢くなる

脳は進化の最終ゴール

・生命の設計者

自然淘汰のみが精巧な生命体を出現させる

自然淘汰の証拠

ダーウィン批判派を検討する
・盲目のプログラマー
・本能と知能
ヒトは動物より多くの本能をもつ
・認知的ニッチ
・なぜ、認知的ニッチに入ったか
・現在知られる石器時代
ヒトの進化史を再構築する
・つぎは、どうなる

ミーム


第四章 心の目―網膜映像を心的記述に転じる
・ディープ・アイ
両眼視

立体視の方法

壁紙ステレオグラム

脳が解決している問題

立体視するための脳の働き

赤ちゃんは生後三~四カ月目に立体視をはじめる

立体視は心の 仕組みを知るパラダイム
・光、影、形
網膜像が外界を再現する方法

素材を推測する方法

満月が平らな円盤に見える理由

心は専門家のネットワーク
・2 1/2次元で見る

・準拠座標系
乗り物酔いの原因

心は形をどう記述するか
・動物クッキー
パターン連想型の神経ネットワーク

きき手と心的回転

脳は記憶し、回転させ、 座標軸をつかう
・心的イメージ

視覚と心的イメージは脳の部位を共有する

心的イメージは画像か記述か

心的イメージは概念の代わりになれない

第五章 推論―人は世界をどのように理解するか
生態学的知能
・カテゴリー化
人間は二種類のカテゴリーをつくる

あいまいなカテゴリー

純粋なカテゴリーはフィクションか

民族集団の統計で個人を判断する誤り
・生得的な認識方法
赤ちゃんは何を物体とみなすか

本質についての直観

人工物と自然物の銘記の仕方のちがい

他人の心を知る心の働き
・三学科
心は裏切り者検知装置を備えている

数学的直観力

確率に敏感な本能

人類は見込みの能力に欠けているか
・メタファー的な心
思考の言語を進化させたプロセス

視覚が数学的思考に転用される
・天才について


第六章 情動――遺伝子の複製を増やすために
・普遍的な情熱
・感じる機械
情動は動物時代のなごり?

感情と思考は明確に区別できない
・郊外住宅地というサバンナ
・思考の食べ物
なぜ食べ物に対する嫌悪感があるのか

食べ物のタブーの意味とは
・恐怖のにおい
・幸福の心理
・人生は短い
・我と汝
利己的な遺伝子が愛情を生む

遺伝子と感情移入

道徳感は互恵ゲームからつくられる

親切はただの営業戦術?
・終末兵器
報復の衝動

なぜ感情が顔に出るのか
・ほれっぽい人

・感性の社会
・自分をだます


第七章 家族の価値――人間関係の生得的動機
・親類縁者
継親は残酷な人間か

血縁者どうしの殺人事件は少ない

夫婦の遺伝的利害は同じ

全体主義は家族と相いれない
・親と子
親と子の対立は子宮のなかから

エディプス・コンプレックスを否定する

親が子どもの人格を形成するのか

親と子の利害の衝突
・兄弟と姉妹
インセスト回避
・男と女
なぜ二つの性があるのか

セクシュアリティが形成された条件

男はより多くの性的パートナーを求める

男性はその気になりやすい

男の性的欲求は際限がない
・夫と妻奴

配偶者に求める資質とは

何が性的魅力になるのか

男の嫉妬、女の嫉妬

進化心理学フェミニズム
・ライバル
評判という優位性を守るために

ステイタスへの渇望
・友人と知人

友情はなぜ進化したか
・味方と敵
戦争の論理と心理

人間性

第八章 人生の意味―非適応的な副産物
・芸術は快楽中枢を刺激する
・芸術とエンタテインメント
普遍音楽文法

音楽が刺激する六つの精神機能

人生は芸術を模倣する

芸術の「充満性」
・何がそんなにおかしいのか?

ユーモアの三つの要素

ユーモアとは何か?

友人関係におけるユーモア
・思いもよらないことを追求する探究心
解決できない問題

認知装置が欠けている

目次
はじめに

二〇〇九年版への序
第一章 心の構造―情報処理と自然淘汰
ロボットをつくるための課題
 運動を制御できる奇跡

 フレーム問題

 愛情とロボットの相性

 心は独創的な装置 の集まりである

精神活動を逆行分析する

 心の演算理論

 心は専門化した複数の器官からなる系

 心的器官の設計は遺伝子プ ログラムに依存する

 自然淘汰が心的器官を設計する

 サルの心と人間の心の違い

 人類史の九九パーセントは狩猟採集生活

 心の究極の目的は遺伝子コピー数の最大化である
心理学的正しさ

 人間の本質を否定するゆがみ

 心は普遍的構造をもつ

 自然は人間を運命づけない

  納得するのと許すのはべつ

 科学と倫理を混同する有害さ


第二章 思考機械―心を実感するために

宇宙のどこかに知的生命体はいないのか

 知能を成立させるものは〈情報〉

 心的言語の仕組み

自然演算
 「原因説」と「推論的役割説」

 心の演算理論と人工知能はべつである

 なにが神経 科学の対象となるべきか

 心的表象の組み合わせが無限の思考を生む

 脳は四種類の表象形式を操作する

 階層構造をもちつつモジュール化する心

反論に答える

 ペンローズの反論

機械が肩代わり

 ニューロンモデルでみる脳の仕組み

 自動結合装置の五つの特徴

 神経回路モデルの最前線

 

コネクトプラズム

 神経回路を〈構造化〉する

 心は個体をやすやすと認識する

 心的表象には合成力がある

 個体認識と合成力の組み合わせから生じる能力

 「再帰」という心的機能

 人間は二種類のモードで思考する

 連合説の短所を点検する意味

アラジンのランプ

 情報の三つのコスト

 アクセス・意識の四つの特徴

 直覚は科学的に説明できない

 

第三章 脳の進化――われら石器時代

賢くなる

 脳は進化の最終ゴール?
 生命の設計者

 自然淘汰のみが精巧な生命体を出現させる

 自然淘汰の証拠

 ダーウィン批判派を検討する

 

盲目のプログラマー

 

本能と知能

 ヒトは動物より多くの本能をもつ

 

認知的ニッチ

 

なぜ、認知的ニッチに入ったか

 

現在知られる石器時代

 ヒトの進化史を再構築する

 

つぎは、どうなる?

 ミーム

 

第四章 心の目―網膜映像を心的記述に転じる

ディープ・アイ

 両眼視

 立体視の方法

 壁紙ステレオグラム

 脳が解決している問題

 立体視するための脳の働き

 赤ちゃんは生後三~四カ月目に立体視をはじめる

 立体視は心の仕組みを知るパラダイム

 

光、影、形
 網膜像が外界を再現する方法

 素材を推測する方法

 満月が平らな円盤に見える理由

 心は専門家のネットワーク

 

2 1/2次元で見る

準拠座標系
 乗り物酔いの原因

 心は形をどう記述するか

 

動物クッキー
 パターン連想型の神経ネットワーク

 きき手と心的回転

 脳は記憶し、回転させ、 座標軸をつかう

 

心的イメージ

 視覚と心的イメージは脳の部位を共有する

 心的イメージは画像か記述か

 心的イメージは概念の代わりになれない

原注

事項索引

人名索引 %

 

第五章 推論―人は世界をどのように理解するか

生態学的知能

 

カテゴリー化

 人間は二種類のカテゴリーをつくる

 あいまいなカテゴリー

 純粋なカテゴリーはフィクションか

 民族集団の統計で個人を判断する誤り

 

生得的な認識方法

 赤ちゃんは何を物体とみなすか

 本質についての直観

 人工物と自然物の銘記の仕方のちがい

 他人の心を知る心の働き

 

三学科
 心は裏切り者検知装置を備えている

 数学的直観力

 確率に敏感な本能

 人類は見込みの能力に欠けているか


メタファー的な心

 思考の言語を進化させたプロセス

 視覚が数学的思考に転用される

 

天才について

 

第六章 情動―遺伝子の複製を増やすために
普遍的な情熱

 

感じる機械

 情動は動物時代のなごり?

 感情と思考は明確に区別できない

 

郊外住宅地というサバンナ


思考の食べ物
 なぜ食べ物に対する嫌悪感があるのか

 食べ物のタブーの意味とは

 

恐怖のにおい

 

幸福の心理

 

人生は短い


我と汝
 利己的な遺伝子が愛情を生む

 遺伝子と感情移入

 道徳感は互恵ゲームからつくられる

 親切はただの営業戦術?

 

終末兵器
 報復の衝動

 なぜ感情が顔に出るのか

 

ほれっぽい人

 

感性の社会


自分をだます


第七章 家族の価値――人間関係の生得的動機

親類縁者
 継親は残酷な人間か

 血縁者どうしの殺人事件は少ない

 夫婦の遺伝的利害は同じ

 全体主義は家族と相いれない

 

親と子

 親と子の対立は子宮のなかから

 エディプス・コンプレックスを否定する

 親が子どもの人格を形成するのか

 親と子の利害の衝突


兄弟と姉妹
 インセスト回避

 

男と女
 なぜ二つの性があるのか

 セクシュアリティが形成された条件

 男はより多くの性的パートナーを求める

 男性はその気になりやすい

 男の性的欲求は際限がない

 

夫と妻

 配偶者に求める資質とは

 何が性的魅力になるのか

 男の嫉妬、女の嫉妬

 進化心理学フェミニズム

 

ライバル

 評判という優位性を守るために

 ステイタスへの渇望

 

友人と知人

 友情はなぜ進化したか

 

味方と敵
 戦争の論理と心理

人間性

 

第八章 人生の意味 ―非適応的な副産物

 芸術は快楽中枢を刺激する

 

芸術とエンタテインメント
 普遍音楽文法

 音楽が刺激する六つの精神機能

 人生は芸術を模倣する

 芸術の「充満性」

 

何がそんなにおかしいのか?

 ユーモアの三つの要素

 ユーモアとは何か?

 友人関係におけるユーモア

 

思いもよらないことを追求する探究心
 解決できない問題

 認知装置が欠けている

 

謝辞
原注
事項索引
人名索引