NVC(Non-Violent-Communication):非暴力コミュニケーション
妥協はフラストレーションなので、双方が妥協するのではなく
何を必要としているかをお互いにたずね、感情を荒立てることなく先入観を排除し、相手との意思疎通を図る。
パート1:「率直に伝える」
NVCのプロセス
①観察(評価を交えずに観察する)
観察と評価を一緒にしてしまうと相手は批判されたと受け止める可能性がある。
思いやる気持ちを妨げるコミュニケーション
・道徳を持ち出す
・比較をする
・責任を回避する
②感情(感情を見極め表現する)
感情を表現する語彙を増やすことで、自分の気持ちを特定して的確に示せるようになり、容易に人と気持ちを通い合わせることができる。
人を判断したり、批判したり、評価したり、解釈したりすることは、自分が必要としていることや価値観の遠回しの表明。自分の感情を自分が必要としてることに直接つなげることができれば、相手は思いやりを持って反応しやすい。
「~ことだと感じる」という言葉の使い方は、自分の感情を明らかにしているのではなく、意見を述べていることになる
③必要とすること(自分の感情に責任を持つ)
他人から否定的なメッセージを受け止めたときの選択肢
・自分自身を責める(第一段階 感情面での奴隷状態)
・相手を責める(第2段階 反抗期)
・自分の感情と、自分が必要としていることを感じ取る(第3段階 感情面の解放)
・相手の感情と、相手が必要としていることを感じ取る
④要求(人生を豊かにするための要求)
自分の必要としていることが満たされていないとき、観察し、感じ、自分が必要としていることを自覚し、さらに具体的な要求をする。自分が必要としていることを満たすだろうと思われる行動をとってもらうよう、人にお願いする
あいまい、抽象的、漠然とした言い方を避け、何を要求「しない」のではなく、何を要求「している」のかをなるべく肯定的な行動を促す言葉で要求する。
パート2:「共感をもって受けとめる」
共感とは、心を空にして全身で聞くこと
共感には治癒力がある
・相手に共感すればするほど私たちは安全だと感じる。
・私達は、人の感情と、必要としていることに耳を傾けることで「たくさんのことを語っている」
・腹を立てている人間には、面と向かって「でも」をぶつけるのではなく、共感する。
・「ノー」に共感することで、相手から攻撃されたと受け止めることを避けられる。
・共感を生み出すのは、今ここにいる能力である。
自分の行動の原動力への自覚を深める
→人や自分の幸福に貢献したいという純粋な望みを原動力として自分を変える
→楽しくないことをしてはいけない
→「~しなくてはならない」から「~することを選ぶ」に置き換えることで、人生の中により多くの楽しみや一貫性を見つけることができる
ステップ 1:人生において、やっていても楽しくないことを、すべて紙に書き出してみる。
ステップ2:リストを完成させたら、やらなければならないからやってるのではなく、自分でやると選択して行っているのだとはっきり認識する。
リストアップした項目すべてに、「私は自分で選択して・・・・・する」と付け加える。
ステップ3:ある行動を自分は自らの選択で行っていると認め、そこにはどんな意図が働いてるのかを自覚する。「私は自分で選択して・・・・・する。それは自分が ・・・・ を望んでいるからだ」という文章を完成させる。
・お金
・認められたい
・罰を受けないため
・恥を恐れる
・罪悪感を持ちたくない
・義務感
怒りを表現する四つのステップ
・立ち止まって深呼吸する
・自分は何をどう決めつけているのかを自覚する
・自分が必要としていることを見極める。
・自分の感情と必要としているが満たされていないことを表現する
感謝の要素
・わたしたちの幸せに貢献した行動
・それによって満たされた、わたしたちの必要としていること
・必要としていることが満たされたことで生まれた心地よい感情
Don't do anything that is not play.
目次
序文
謝辞
第1章 心の底から与えるー非暴力コミュニケーションの核心
はじめに
注意を向ける方法
NVCのプロセス
NVCを日常に取り入れる
まとめ
NVC・ イン・アクション 人殺し!暗殺者!子供殺し!
第2章 思いやる気持ちを妨げるコミュニケーション
道徳を持ち出す
比較をする
責任を回避する
心の底からの訴えを遠ざけてしまうコミュニケーションは他にもある
まとめ
第3章 評価をまじえずに観察する
人間の知性の最高のかたち
観察と評価を区別する
まとめ
NVC・ イン・アクション あなたほど傲慢な話し手お迎えたことがない
エクササイズ①観察か、それとも評価か
第4章 感情を見極め、表現する
感情を表現しないことの重い代償
感情 VS 感情ではないもの
感情を表現する語彙を増やす
まとめ
エクササイズ②感情を表現する
第5章 自分の感情に責任を持つ
否定的なメッセージの聞き方ーー4つの選択肢
感情のおおもとにある、自分が必要としていること
必要としていることを表現する苦痛、表現しない苦痛
感情の奴隷ではなく、感情から解放された自由へ
まとめ
NVC・ イン・アクション 10代の未婚出産は、もっと社会的制裁を受けるべきだわ!
エクササイズ③何を必要としているのかを自覚する
第6章 人生を豊かにするための要求
肯定的な行動を促す言葉を使う
意識的に要求する
伝え返しを要求する
率直な反応を要求する
集団に対して要求する
要求 vs 強要
要求を出す時には自分の目的を明らかにする
まとめ
NVC・ イン・アクション 親友の喫煙をめぐり、恐れを共有する
エクササイズ④要求を表現する
第7章 共感をもって受け取る
何もしなくていい、ただそこにいるということ
感情と必要としていることを聞き取る
言い換える
共感を持続させる
つらくて共感できないとき
まとめ
NVC・ イン・アクション 死期が迫った夫と気持ちを通い合わせる妻
エクササイズ⑤共感をもって受け取ることと、共感しないで受け取ることのちがい
第8章 共感の力
共感には治癒力がある
共感する能力と弱さを見せる能力
共感することで危険を取り除く
「ノー!」を受けとめて共感する
停滞した会話を共感で蘇らせる
沈黙に共感する
まとめ
第9章 思いやりをもって自分自身とつながる
自分はかけがえのない存在であることを思い出す
完璧ではなかった自分を評価する
自己批判と内なる強要の意味を理解する
NVCで過去を振り返り、悲しむ
自分を許す
水玉模様のスーツから得た教訓
「楽しくないことはしてはいけない!」
「〜しなければならない」「〜することを選ぶ」に翻訳する
自分の行動の原動力への自覚を深める
まとめ
第10章 怒りをじゅうぶんに表現する
原因と刺激を区別する
怒りの核には、人生を豊かにするための手がかりが必ずある
刺激 vs 原因ーー実例で見る
怒りを表現する4つのステップ
最初に共感を提供する
じっくり時間をかける
まとめ
NVC・ イン・アクション 親とティーンエイジャーの会話ーー生死に関わる問題
第11章 紛争を解決する
人と人とのつながり
従来の調停方法と何がちがうか
NVCによる紛争解決のステップ
ニーズと手段、分析について
共感の力で「聞き取ることを妨げる痛み」をやわらげる
肯定的な行動を促す現在形の言葉で紛争を解決する
動作動詞を使う
「ノー」を翻訳する
NVCと調停者の役割
当事者双方が直接顔を合わせることに「ノー」という場合
非公式の調停ーーお節介を焼く場合
まとめ
第12章 力を防御的に使う
力の行使が避けられない時とき
力の行使の背後にある考え
懲罰的な力の種類
懲罰の代償
懲罰の限界を明らかにするふたつの問いかけ
学校内での力の防御的な行使
まとめ
第13章 自分を解放し、人に助言する
古いプログラミングから自由になる
内的な葛藤を解決する
自分の心の状態を思いやる
診断よりもNVCを
まとめ
NVC・ イン・アクション 憤りと自己評価に対処する
第14章NVCで感謝を表現する
褒め言葉の奥にある意図
感謝の3つの要素
感謝の言葉を受けとめる
感謝の言葉への渇望
気が進まないのを克服して感謝を伝える
まとめ
エピローグ