「スタートアップを科学する9つのフレームワーク」とのことだが、経営を9つの要素(
ミッション・ビジョン・バリュー、戦略、人的資源、オペレーショナル・エクセレンス
ユーザーエクスペリエンス、マーケティング、セールス、カスタマーサクセス、ファイナンス)に分けた要素をフレームワークとしている。
読み進める前提として、「起業の科学」を呼んでいることになっているようで、まず、以下の略語がわからないと混乱してしまう。
プロダクトのフェーズ
CPF(Customer Problem Fit)
FPF(Founder Problem Fit)
PSF(Problem Solution Fit)
SPF(Solution Product Fit)
PMF(Product Market Fit)
■ミッション・ビジョン・バリュー
https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/9/c/600/img_9cda07e6ab54037479a2f08f380363fe757187.jpg
MVVは顧客に対する独自の価値提案(Unique Value Proposition)からなる
■戦略
どの市場にどう向かうかを論理的/俯瞰的に整理するフレームワーク
Go-To-Marketのフレームワーク
スタートアップの本質はPFMFを追求すること
PMF(Product Market Fit)は既に顕在化した市場に最適化するという意味で使われることがあるので、まだ見ぬ少し先の未来に対して最適化するという意味で、PFMF(Product Future Market Fit)と呼んでいる。
Platform Technology Fitを考える
→テクノロジーインフラがかわると、プラットフォームを牛耳るプレーヤーも変わる。
戦略のCSF(Critical Success Factor)
■人的資源
人材の4タイプ→WHY(理想派)、WHAT(現実派)、HOW(実行派)、WHO(フォロー派)
4ループ学習システムでPDCAを回していく
Evaluation/Laugh/Respect/Learnを意識する
目標設定はMUST-GET-CANフレームワークで考える
MBO(KPI)とOKRとの違い
MBOは報酬の設定のためだがOKRは組織が目標を達せてさせるためのもの
OKR
→MVV/戦略と個人のベクトルを合わせる
■オペレーショナル・エクセレンス
ECRS(改善の四原則)+SKを実行する
Eliminate:排除する
Combine:つなげる
Replace:組み替える
Simplify:簡素化する
+
Strengthen:強化する
Knowledge:形式知化/標準化
N1分析を通じてPCF(Product Channel Fit)を目指す
N1分析→特定の顧客を一人だけ抽出し、その人の考え方や意見を徹底的に深堀りすることで、対象顧客を理解する、リサーチの手法
インタビュー相手をよく知る
インタビュー相手の弟子になる
インタビュー相手の非言語コミュニケーションに注目する
インタビューオーナーになる
インタビュー相手の話を分析する
IMPAKTでネタを探す
・Inverse:逆説、対立構造
・Most:最上級、史上初
・Public:社会性、地域性
・Actor/Actress:役者
・Keyword:キーワード、数字
・Trend:時流、世相、季節性
マーケティングは4Pから4Eの時代へ
→エドモンド・ジェローム・マッカーシーの4P
・Product
・Price
・Place
・Promotion
4E
・Experience:製品→体験
・Exchange:価格→交換
・Evangelism:販促→伝道
・Every Place:流通→場所
単価の安い商材の「常連」になるかを考えるRFM分析(Recency:最終購入日、Frequency:購入頻度、Monetary:購入金額)
CPA改善
RNE分析→どの顧客に対してマーケティングしていくべきか
Recognition:認知度
Needs:ニーズ顕在度
Emergency:緊急性
■セールス
1 なぜ、セールスが必要なのか?
初期のスタートアップはトップセールスが当たり前
B2Bの商談は5つのステージに分けられる
商談ステージごとの状態を明らかにする
「詰める」マネジメントから「読み」のマネジメントへ
2 インサイドセールスの仕組みを立ち上げる
インサイドセールスとは
インサイドセールスを立ち上げるときの留意点
リードのナーチャリングを理解する
インサイドセールスは全体のスループットの調整弁になる
インサイドセールスを実装するには
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスは分業体制で
リードを管理するフレームワーク
SCOTSMANS
https://arcc.vision/knowledge/scotsman/
Situation(先方の立場)
Competitors(競合)
Opportunity(機会)
Timeframe(導入想定時期)
Size(導入規模)
Money(予算)
Authority(決裁権限者か)
Needs(必要性、要望)
Succes(導入して成功した状態)
インサイドセールスのナーチャリング(リード育成)
1.ニューリード
BANT(Budget Authority Needs Timeframe)を最低限拾う
2.ワーキングアンタッチド
3.ワーキングコネクティッド
4.コンバート
■カスタマーサクセス
リテンション
→長期的な顧客関係を築く
カスタマーサクセスを実装する
https://speakerdeck.com/masa77707/qi-ye-da-quan-sirizusuraido-mvv?slide=46
p.46
→カスタマーサクセスの実装にはメンタルモデルの転換が必要
→メンタルモデルやMVVは時間とともに培われるもので模倣できない
・カスタマーサクセスマップを作る
・カスタマーサクセスのプロセスを理解する
・ハイタッチ/ロータッチオンボーディング
・テックタッチオンボーディングを実装する
・アダプション→ユーザがプロダクトを使いこなす状態
・サクセス/エクスパンション
究極のカスタマーサクセス「チェンジマネジメント」
チェンジマネジメント 5段階
1.営業活動の可視化
2.重要顧客の管理
3.新規顧客の発掘
4.既存顧客の関係性強化
5.社内人脈の共有
チェンジマネジメントのフレームワーク
レヴィンのチェンジマネジメントモデル : 氷塊を溶かして形を変えるプロセスになぞらえた、行動変革のための3段階のアプローチ。
ADKAR モデル : 個人レベルでの変革を促進する人中心のアプローチ。
コッターの8段階の変革モデル : 従業員の体験を利用して抵抗感を減らし、変化を受容するプロセス。
キューブラー=ロスの変化曲線 : 悲嘆の5段階で人がどのように変化に対処するかを読み解く戦略。
マッキンゼー 7S モデル : あらゆる組織に存在する7つの基本要素の調整を中心としたプロセス。
PDCAモデル : 継続的改善を焦点とした循環的かつ反復的な変更管理プロセス。
ブリッジズの移行モデル : 変化へと移行する人々の体験管理を主軸とする、人中心のモデル。
ピッチ資料
・ワンセンテンスピッチ(10秒)
→「一言でいうと」
・エレベータピッチ(30秒~1分)
対象カスタマ
ニーズ/課題
プロダクト名
重要な利点と、対価に見合う説得力のある理由
代替手段の右翼
差別化の決定的な特徴
アナロジー
・ショートピッチ
Tag Line:一言でいうと
Issues/Solution:どういった問題を解決しょうとしているか
Market size/First Market Segment
Why now
Traction/Insight:現在のけん引力、どんなインサイトを得たいか
Why us
Defensibility:どうやって競合優位性を構築するか
Business Model/Key KPI(先行指標)
Competition:Current Alternative:競合や代案
Business Roadmap:スケールするためのロードマップ
Big Ask:どのくらいの資金調達を考えているか
ショートピッチを成功させるポイント
・素早くデモに持って行く
・AIDMA(Attention:注意→Interest:関心→Desire:欲求→Memory:記憶→Action:行動)を構築する
・ソリューションではなく課題にフォーカスする
・ビジネスモデルは深入りしない
・自分たちを実際よりも良く見せない
・具体的な数字や自社がこだわりを持つKPI(先行指標)を語る
資金調達の方法 →コンバーチブルノート
転換価格を明確に定めない貸付のこと。
先に投資金額を受け取り、後で時価総額を算定して、その時価総額に見合った株式を渡す
目次
CHAPTER1 ミッション・ビジョン・バリュー MISSION, VISION, VALUE
1 ミッション・ビジョン・バリューが、なぜ大事なのか
MVVは顧客に対する独自の価値提案(Unique Value Proposition)からなる
WHYから始めよ
WHYを起点にする
WHYを起点としたWHY - HOW - WHATの対話とシナジーが重要
MVVを全体感で捉える
2 ミッション・ビジョン・バリューは、実務において最強の武器になる
1.意思決定の質とスピードが高まる
2.持続的競合優位性(ディフェンシビリティ)が高まる
3.人材採用力が高まる
4.組織を一枚岩にする
5.プロダクトの訴求力が高まる
秀逸なミッション、ビジョンは継承される
ミッション、ビジョンは「進化」する
3 ミッション・ビジョン・バリューを策定する
良いミッションの5つの切り口
ビジョン
理想の未来から逆算してビジョンを策定する
良いビジョンの5つの基準
バリュー
地球上で最も顧客中心の会社
グーグルが掲げる10の事実
フェイスブックのコアバリュー
アマゾンがザッポスを12億ドルで買収した理由
自分たちのMVVを体現/言語化した「クレド」を考える
CHAPTER1のまとめ
CHAPTER2 戦略 STRATEGY
1 事業の実現可能性、成長性、競合優位性を築けるか?
フィージビリティ(PMFの実現可能性)
2 自社事業の「センターピン」を見つける
なぜ、アマゾンは書籍をインターネットで売るビジネスから始めたのか?
資本主義で勝つために必要なことは「競争をしない」「競争を避ける」
3 どの市場にどう向かうかを論理的/俯瞰的に整理するフレームワーク
多くのスタートアップが初期市場の選択で躓いてしまう
市場規模を考える
スタートアップの本質はPFMFを追求すること
PEST分析
4 Platform Technology Fitを考えているか?
5〜10年後を想像しながら1〜2年後の市場についても考える
代替ソリューションが存在しないかを検証する
戦略のない意思決定がスタートアップをダメにする
5 どのビジネスモデルから始めるとPMFしやすいか?
プラットフォーム型事業はスケーラビリティは高いがPMFの難度が高い
スケーラビリティ(Scalability:スケールできるか)
ハイタッチから始めて徐々にシステム化、標準化する
プラットフォームは限定した市場から獲得する
6 持続的競合優位性を築けるか?
スタートアップの価値を決める要素とは
7 持続的競合優位性資産がスタートアップの運命を決める
なぜ、テスラは時価総額で世界第1位になれたのか
CHAPTER2のまとめ
COLUMN 持続的競合優位性としてのテクノロジーの秀逸性とイノベーションモデル
CHAPTER3 人的資源 HUMAN RESOURCES
1 優秀な人材を採用し、定着させる仕組みを作る
起業家から事業家(CXO)になるために必要な「人材マネジメント力」
スタートアップのフェーズ感と人的資源の関係
サイドプロジェクトで始める
2 初期に必要な人材を見極める
機能によって組織を厳密に分断しない
人材の4タイプ
経営陣ストーリーの言語化/自己マスタリー
自己認識力を高める方法
経営チームの組成
自社の魅力/課題を言語化
起業家から事業家(CXO)に自己変革する
3 「自己認識力」「オープンネス」を高めるストーリーブック
必要な人材の解像度が高まり、採用力が高まる
ストーリーブックの具体例
4 採用力を高める方法
人材戦略方針シートを作る
優秀な人材、自社にフィットした人材を採用できるか
現状のバリューチェーンの可視化と採るべき人材のペルソナ構築
採用ファネルの設計と運用
採用ファネル設計により採用候補者体験が向上できるか
ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット
エージェント活用のメリットとデメリット
エージェント活用の効率性/採用率を高めるコツ
5 採用の勝ち筋を見つけていく
常に改善する
面接は「見極め」と「魅力づけ」の場である
面接質問のキラークエスチョン事例
内定の極意
6 人事施策を実装する
エンプロイーサクセスをカスタマーサクセスにする
エンプロイーエクスペリエンスを考慮する
エンプロイージャーニーマップの作り方
7 4ループ学習システムでPDCAを回していく
Evaluation/Laugh/Respect/Learnを意識する
週単位でPDCAを回す
1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングを業務でやることのメリット
8 会社の戦略ビジョンとOKRを連携させる
OKRの設定
MVV/戦略と個人のベクトルを合わせる
CHAPTER3のまとめ
CHAPTER4 オペレーショナル・エクセレンス OPERATIONAL EXCELLENCE
1 標準化されたプロセスで競合に差をつける
勝ち続ける仕組みをいかに作るか?
OEが求められるのは、PMF後
標準化やオペレーションの秀逸性は大きな持続的競合優位性になる
細かいPDCAを回して業務を見直していく
全社的/横断的な業務改善を行う
2 業務改善のステップを理解する
業務を見える化する
業務の課題を明らかにする
ECRS+SKを実行する
3 標準化/マニュアル化の進め方
マニュアルはWHAT、WHY、WHEN、WHO、HOWの切り口でまとめる
しばらくは業務の負荷をかけてから施策を考える
人材採用
外注化のメリット
業務のツール化/自動化を行う
CHAPTER4のまとめ
CHAPTER5 ユーザーエクスペリエンス USER EXPERIENCE
1 なぜ、高いユーザーエクスペリエンスが求められるようになったのか
プロダクトはUXの一部に組み込まれた
モノからコトへ 人生に寄り添い/顧客の成功へ
良いUXのキーワードは「コト」「トキ」
顧客一人ひとりの人生に寄り添う
エアビーアンドビーが行ったUXの思考実験 11 - スター・エクスペリエンス
顧客が欲しいのは、ドリルではなく穴である
ユーザーサイドがプロダクトの価値を決める時代へ
UXデザインを企業活動の中心に置く
2 UXエンゲージメントモデルとは
利用前UX プロダクトと出会い興味を抱かせる
利用中UX ユーザーの期待に応え、負担を減らし、目的を達成する
利用後UX ユーザーをおもてなしし、再利用のきっかけを作る
利用全体UX ユーザーが熟達し、なりたい自分になる
パーソナライゼーションとエンターテインメントの融合
3 2020年代に求められるUXとは
ストレスのないUXを提供するアマゾンゴー
UX主導の開発を回す
CHAPTER5のまとめ
CHAPTER6 マーケティング MARKETING
1 優れたマーケティングはセールスを不要にする
そもそもマーケティングとは
マーケティングの目的を知る
2 N1分析を通じてPCF(Product Channel Fit)を目指す
インタビュー相手をよく知る
インタビュー相手の弟子になる
インタビュー相手の非言語コミュニケーションに注目する
インタビューオーナーになる
インタビュー相手の話を分析する
3 マーケティング施策オプションを理解する
ペイドメディア
オウンドメディア
コミュニティマーケティングを活用する
うまく運用する4つのポイント
起業家はその業界のオーソリティになる覚悟をもつ
アーンドメディア
Love me vs.Buy me
4 アーンドメディア戦略、PR戦略を考える
「報道連鎖」を仕掛ける
IMPAKTでネタを探す
自社のメディアリストを作る
シェアドメディア
5 インフルエンサーマーケティングを活用する
プレマーケティング
検索エンジン
SNS等でシェアされるコンテンツを打ち出していく
LP(ランディングページ)を設計する
インタビューの際に顧客に聞いておくべき質問リスト
6 マーケティングファネルを設計し、PDCAを回していく
ファネルを設計し、マーケティングのストーリーを作る
マーケティングは4Pから4Eの時代へ
7 データ・ドリブンでマーケティングを運用する
1.認知度/ニーズの顕在度/緊急性を分析して現状を把握する
2.単価の安い商材の「常連」になるかを考えるRFM分析
データ・ドリブンマーケティング
CHAPTER6のまとめ
CHAPTER7 セールス SALES
1 なぜ、セールスが必要なのか?
初期のスタートアップはトップセールスが当たり前
B2Bの商談は5つのステージに分けられる
商談ステージごとの状態を明らかにする
「詰める」マネジメントから「読み」のマネジメントへ
2 インサイドセールスの仕組みを立ち上げる
インサイドセールスとは
インサイドセールスを立ち上げるときの留意点
リードのナーチャリングを理解する
インサイドセールスは全体のスループットの調整弁になる
インサイドセールスを実装するには
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスは分業体制で
CHAPTER7のまとめ
CHAPTER8 カスタマーサクセス CUSTOMER SUCCESS
1 「顧客の成功」「顧客の成果」が会社の成長を後押しする
初回の購入は単なる「関係の始まり」に過ぎない
旧来型の定期購買とサブスクリプションの違いとは
2 カスタマーサクセスを実装する
「顧客の成功」を 会社の共通言語にする
カスタマーサクセスマップを作る
カスタマーサクセスのプロセスを理解する
ハイタッチ/ロータッチオンボーディング
テックタッチオンボーディングを実装する
注目されているProduct Led Growth
アダプション
サクセス/エクスパンション
3 究極のカスタマーサクセス「チェンジマネジメント」
データ・ドリブンでカスタマーサクセスを運用する
解約した理由(継続しない理由)を明らかにする
4 カスタマーサクセスを標準化する
カスタマーサクセスは会社のハブを目指す
カスタマーサクセスチームとセールスチームは密に連携する
カスタマーサクセスチームを進化させる
CHAPTER8のまとめ
CHAPTER9 ファイナンス FINANCE
1 資本政策を設計し、出口戦略に至るエクイティストーリーを作れるか?
スタートアップのフェーズを理解する
キャッシュエンジンを確保するところから始める
2 初期の資本政策に細心の注意を払う
Pre - Seed期の株についての考え方
安易に外部に株を渡さない
会社設立時の留意点
EXIT(IPOとM&A)について理解する
上場企業の創業者は公人になることを覚悟しよう
「悪魔との契約」に注意
M&Aのメリットと留意点
3 資本政策を検討する
資本政策表(Cap - table)を作る
持ち株のバランスを考慮する
経営権を維持する
資金調達を理解する
プレマネー(Pre - money)とポストマネー(Post - money)
バリュエーションは高いほどいいのか?
4 お金を集める方法を知る
資金調達の方法 ── 普通株
資金調達の方法 ── コンバーチブルノート
資金調達の方法 ── 種類株式(優先株式)
優先的残余財産請求権の設定
優先的残余財産の意味
優先的剰余金配当請求権について
希薄化防止条項を検討する
資金調達の方法 新株予約権
資金調達を開始する
5 資金調達する相手を知る
エンジェル投資家とは?
VCの活動内容は?
投資家を見極める
避けるべき投資家とは
投資家と交渉するポイントを押さえる
投資契約を締結する
CHAPTER9のまとめ
FINAL CHAPTER 自分たちだけのストーリーが究極の競合優位性になる
アマゾンのストーリーの進化を検証する
自分たちの唯一無二のストーリーを作ることができるか
唯一無二のストーリーを言語化/更新していく
おわりに
起業家から事業家へとレベルアップするための300の質問