原書タイトルはDRIVE。
drive(やる気)=モチベーション(動機付け)-外的要因=モチベーション3.0
「交換条件つき」(if-then) 報酬
条件を提示する報酬はルーチンワークには効果的な場合もあるが、創造性が必要で概念的なタスクにとっては悪影響を及ぼす。
「思いがけない」(now that) 報酬
業務完了後に決められる報酬。交換条件つき報酬よりも非ルーチンワークに対して弊害は生じにくい。
結果志向の職場環境(ROWE:Results Only Work Environment)
従業員には出勤時間など時間的スケジュールはなく、好きな時間に出社でき、完全に自由に自分の時間の使い方を選べる。ただ仕事をしっかり成し遂げればいい。
ソーヤー効果
「トム・ソーヤーの冒険」のペンキ塗りのエピソードに由来し、「仕事が遊びに変わる」こともあれば、「遊びが仕事へと変わる」こともあるという二面性を持っている。
マスタリーの漸近線
マスタリーの完全な実現は不可能ということ
アメとムチの致命的な7つの欠陥
内発的動機づけを失わせる。
かえって成果が上がらなくなる。
創造性を蝕む。
好ましい言動への意欲を失わせる。
ごまかしや近道、倫理に反する行為を助長する。
依存性がある。
短絡的思考を助長する。
モチベーションの種類
モチベーション1.0
生物としての人間が野生生物から身を守るなどの生理的欲求に基づく行動決定
モチベーション2.0
工業社会の中で育まれた企業と人との関係、労働と結びついた報酬に根差している。
→「タイプX」
モチベーション3.0
→「タイプI」
タイプX(eXtinct))の行動
内部からの欲求というより外部からの欲求によってエネルギーを得る。
タイプI(Instrinct)の行動
内発的動機と名づけており、内部からの欲求をエネルギーの源とし、活動そのものから得られる満足感と結びついている。
タイプIの行動の3要素
①自律性(オートノミー):自らの意思で行動を決める
自律は独立とは違い、自ら選択をして行動すること。他者からの制約を受けずに行動できる一方で、他者と円満に相互依存もできる。
「十分な給与を払わなければ、社員は会社から離れていく。しかしそれにもまして、金銭は人に意欲を与える要因ではない。お金よりも重要なのはクリエイティブな人を惹きつける仕組み」
タイプIの行動は、4つのT、課題(Task)、時間(Time)、手法(Technique)、チーム(Team)に関して自律性を得たときに現れる。
②熟達(マスタリー):意義あることの熟達を目指して、打ち込む
複雑な問題の解決には、探究心と新たな解決策を試そうとする積極的な意思が必要だ。タイプIは、物事に熟達することを可能にする。
③目的:さらなる高みへの追求を、大きな目的へと結びつける
タイプIは、利益を否定はしないが、「目的の最大化」を同じくらい重要視する。金銭以外の様々な要因ー「素晴らしいチームと仕事ができる」「仕事を通じて社会に還元できる」など。
「目的」「大義」「持続可能な」といった言葉は、タイプXの目的とは異なっている。タイプXの目標は、「効率性」「メリット」「価値」「優位性」「イシュー」「差別化」のような言葉で表される。
マスタリー(熟達)の3つの法則
1.マスタリーはマインドセット(心の持ち方)
2.マスタリーは苦痛(根性
3.マスタリーは漸近線(近づくことはできるが達することができない)
モチベーションを目覚めさせるツール
■個人用ツールキット
フローテストの受験
大きな問いかけをする
小さな質問を問い続ける
サグマイスターを取る
自分自身の勤務評定を行う
マスタリーへ近づく5ステップ
ウェバーに倣い、カードを使う
自分用のモチベーショナル・ポスターを作る
■組織用ツールキット
補助輪付き<20%ルール>を試してみる
→20%ルール→勤務時間の20%は自分の興味や好きなことに費やしてよい
→補助輪付き→たとえば、10%からはじめる
同僚間で「思いがけない」報酬を推奨する
自律性をチェック
コントロールを手放すための3ステップ
「目的は何か?」と問いかける
ライシュの代名詞テスト内発的動機づけを利用するシステム設計
内発的動機づけを利用するシステム設計
グループでゴルディロックスを促進する
→ゴルディロックスの仕事
ゴルディロックスとは絵本で有名な「3匹のくま」に出てくる女の子の名前。
「熱すぎず冷たすぎず、丁度よいご飯」
「硬すぎず柔らかすぎず、丁度よい椅子」
と同じように
「難しすぎず易しすぎず、丁度よい仕事」
を目標定義することが重要。フローに達し、マスタリーを得るためには不可欠。
オフサイト・ミーティングの代わりに、フェデックス・デーを設ける
→フェデックス・デー→アトラシアンが考案した仕組みで、四半期に一度、木曜日の午後に、休暇をとって通常業務から離れ、何でもいいから自分がしたいことに取り組んでほしい。会社が要求するのは、明日の金曜日のミーティングの、その結果を発表する。
コントロールを手放すための3つのステップ
1. 目標設定を一緒に行う
2. 支配的な言葉を用いない
3. 時間を確保する
タイプI式の報酬
内外ともに公平さを重んじる
平均より高い報酬を与える
複雑な評価指針を用いる
運動へのモチベーションを生み出す(そして持続させる)ための4つのアドバイス
自分の目標を設定する
室内でモルモットのように走るだけのトレッドミルを止める
マスタリーを念頭に置く
正しいやり方で報酬を与える