→非因果的連関の原理
エイコーザル(acausal/因果律に基づかない)サイエンス
一般空間で因果律(すべての事象は、必ずある原因によって起こり、原因なしには何事も起こらないという原理)の伝わる速さは光速が上限である。つまり、ある原因による結果は、原因からの作用が光速で伝達こそすれ、それより早く発現することはない。
特殊相対性理論では光速を超える移動や情報伝達が不可能なため、因果の伝達速度も光速が上限とされるが、量子力学では量子もつれによって光速を超えた即時の情報伝達という、非因果的な相関が生じる。
量子もつれは、相互作用ではなく、粒子間の相関である。そのため、因果律に厳格に則った伝播より速く結果を伝えることができる。つまりそれは、自然界に2種類の「伝達ルート」、光速を最高速度とする伝達経路と、人間の観察と同時に相関を示す量子相関という経路がある。
→量子重力方程式
https://puboo.jp/book/133579
局所性と因果性を前提とする相対性理論と、非局所性と非因果性を前提とする量子力学を統一する理論が探究されている。
ブレーンワールド仮説
物質の最小単位を点粒子ではなく振動する弦とし、開いた弦や閉じた弦、表面積を単位とするエネルギーといった概念のもと、高次元多様体(時空を一般化した対象)における存在と相互作用を想定する。一般空間の三次元と時間の一次元からなる四次元より高次の余剰次元は、ボールや結び目のように小さく丸まっているため、人間には観測できない。これに対して、余剰次元の内の1つの次元については、当該次元方向に移動できる。この考えを場の理論に応用すると、重力が他の3つの力(電磁気力、弱い力、強い力)に比べて非常に弱い点など、長年説明できなかった問題が解決される。
「ブレーンワールド仮説」では、私たちの認識する世界は三次元空間の膜に限られるが、グラビトン(電磁気力を媒介する光子のように、重力を媒介するボソン)は「バルク」と呼ばれる余剰次元の時空にも伝播するため、重力は弱いと考える。
重力波のパルス調整により、バルクという近道を介した遠隔地への移動が可能となる。
物体やエネルギーによってその周りの時空が大きく湾曲すると、時空に抜け道のような構造が現れ、遠く離れた2点間において超光速での移動が可能になるかもしれない。