意外とナショナルフラッグ好きの国粋主義だったりするのかもと思いながら、ワインを製造した際に出るぶどうの搾り滓を原料として、それを醗酵させ、蒸溜したブランデー(つまり、滓取りブランデー)の名称を調べてみると、フランスではマール(A.O.C.ワインの残留物やA.O.C.規格外のワインで作られたものはフィーヌ(一概に規格外とはいえず、作り方も違う(簡単)らしい))、イタリアではグラッパ、スペインではオルーホ、ポルトガルではバガセイラ、ドイツではトレスター・ブランド、ギリシャではチプロ、南米諸国ではアグアルディエンテなどなど、その国によって、固有の名称で呼ばれている。
日本ではどうなんだと調べてみたら、カストリ(粕取り)焼酎というのがあるようです。ただし、カストリという日本語は「粗悪焼酎に対する俗称」で使われるらしい。わけわかめ。カストリとは酒粕のことで、つまり、日本酒を搾った後の酒粕から更にアルコールを取り出そうとして蒸留器に掛けて作り出したのがあるらしい。ブランデーは、果実を原料としていなければならないので、正確には、ブランデーとはいえないし、歴史的に考えても、滓取りブランデーの日本固有の呼び名はないのかもしれない。
というわけで、ついでに、滓取りブランデー以外のブランデーについて調べてみた(さすがに蒸留酒まで広げるのはやめた)。
ワインと同様にぶどう、特に白ぶどうからつくられる。単にブランデーといった場合は、グレープ・ブランデーを指す。
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- コニャック
フランスの南西部コニャック市を中心にする6地域で生産される、グレープブランデー。単式蒸溜機で2回行われる。
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- アルマニャック
ボルドー地方の南にあるアルマニャック地方でつくられるブランデー。半連続式蒸溜機を主に使用。
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- ピスコ
ペルーの地酒。海岸沿いで収穫されるマスカット系の白ぶどうを原料に醗酵、蒸溜した蒸溜酒。
トルコの蒸留酒。東地中海地方(マシュリク)では、アラックと呼ばれる
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- ウーゾ
ギリシャのグレープ・ブランデーをベースとしたリキュール
- フルーツ・ブランデー
ぶどう以外の果実を原料としたブランデー。
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- アップル・ブランデー
りんごを原料とし、その果汁を醗酵させ(シードル)、蒸溜したブランデー。フランスでは、オー・ド・ヴィ・ド・シードルともいい、カルヴァドスが有名。アメリカでは、アップル・ジャックとも呼ばれる。
さくらんぼを原料にその果汁を醗酵させ、蒸溜して造られるブランデー
ハンガリーのフルーツ・ブランデーで、 原料は、プラムやアプリコット、洋梨、りんごなど様々で、この他にもラズベリー、黒スグリの実などからも造られる。
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- ワラギ