寝かせる(冷ます)と旨み成分が凝縮され、再加熱すると溶け出し、うま味とコクが増す。
とくにジャガイモからはデンプンが溶け出し、「とろみ」がつき、うま味やコクが強く感じられるようになる。
カレーに含まれる脂肪分が乳化されてよく混ざり合うことで、味がより「マイルド」になる。
一方、スパイスカレーが一晩寝かせてもおいしくならないのは、香辛料の風味が落ちてしまうから。香辛料の香りが飛んで、「マイルド」になったともいう。さらにスパイシーカレーは具が少ないため、寝かしても旨み成分がそんなに溶け出ない。
つまり、肉じゃがにカレールウを加えて冷やして温めれば、おいしい出汁カレーが作れるに違いない。
また、スパイスカレーには和出汁ではなく、ブイヨン(魚・牛・鶏と野菜を煮込んだ出汁)、コンソメ(ブイヨンに牛スネ肉・卵白を加えたスープ)、フォンドボー(ブイヨン」に子牛の骨・香味野菜を加えた出汁)(だし)を加えて、一旦、冷やして温めれば、スパイスカレーも一晩寝かせてうまくなるかも。あそこのがうまいのは、フォンドボーを使っているに違いないとにらんでいる。ブイヨン、コンソメ、フォンドボーいずれがよいかは実験君。
そういえば、鶏ガラ(正確には鴨ガラ)で作ったカレーは美味かった。
なお、常温で一晩寝かせる場合は、雑菌が増殖することに注意するのは自明である。