著者が「ヤバい経済学」の著者とは知らずに読み始める。
ホットドック早食い選手権で優勝したコービーの戦略(コバヤシ・シェイクなど)が興味深い。
ただし、これまた書籍タイトルがミスリードを誘う。原書タイトルはThink Like a Freak。本文中にも繰り返し、フリークのように考えるとでてくるので、これは重要なキーワードなのに、タイトルをゼロベースと意訳したなら、本文中もゼロベースでとおしてほしかった。
ゴールの真ん中を狙えば成功率が7%あがるのに実際にそこを狙うシュートは17%
人は「みんなの利益」より「自分の利益」を優先するが、そのことを白状する人はいない。
「目のつけどころ」を変えて、問題を解決する→フリーク
→先入観やみんなと同じことをするほうがラクだから難しい
→クビになりたくない
現代生活はインセンティブの上に成り立っている
本当のことを言うと「変人扱い」される
「知らない」と言えれば、合理的に考えられる
→世界で一番言いにくい言葉は「知らない」
→いつも「わからない」といえると、たまに答えるとデタラメでも信じてもらえる
ゼロベースで、問題を「正しくとらえなおす」
・試しながら「却下」する戦術を決める
・ゲームのルールを書き換える
「ホットドックをもっとたくさん食べるにはどうするか」ではなく、「ホットドックを食べやすくするにはどうしたらいいか」へ
のちにソロモンメソッドと呼ばれるようになったが、実際のソロモンメソッドは半分に切るといって脅しただけで実際には切って食べたコービーとは正確には違う。
・脳をだまして限界を広げる
真実はルーツにある。
フリークみたいに考えるってことは、問題の根本原因をつきとめ、それを取り除けるので、力の限り尽くすってことだ。
→デザイン思考だな
・プロテスタントの方が労働時間が多い
・プロテスタントの方が自営業が多い
・プロテスタントの女性の方がフルタイムで働く率が高い
奴隷商人は長い航海に耐えられる、つまり、脱水症状になりにくい、つまり塩分感受性が高い奴隷を選んでした。塩分感受性は遺伝しやすい。
彼らの子孫であるアフリカ系アメリカ人は高血圧や心血管の病気になる可能性が高い
ほめときは、「大きな考えをされますね」というべきだが、フリークみたいに考えるとは、大きくではなく、「小さく」考えることだ。
「少しのことを確実にこなし、残りは後代に託したほうが、何事も確かめずに憶測をもとにすべてを説明しょうとするよりずっといい」
by ニュートン
わかりきったことでも臆せずいう
・コブラ効果→報酬が逆効果を生むこと。
コブラの大量発生対策に、コブラの首に懸賞金をかけた。その結果、コブラを養殖するものがあらわれた。
インセンティブを考えるなら、これを守れ
1.相手が関心があると言っていることを鵜呑みにせず、本当に関心をもっていることをつきとめよう。
2.相手にとっては価値があるけれど、自分には安く提供できるような面で、インセンティブを提供しよう。
3.相手の反応に注意を払おう。びっくりしたり、がっかりしたような反応が返ってきたら、それを参考にして別のことを試してみよう。
4.相手との関係を、敵対的枠組みから協調的枠組みにシフトさせるようなインセンティブをできるかぎり考えよう。
5.何かが「正しい」から相手がそれをしてくれるだなんて、ゆめゆめ思っちゃいけない。
6.どんなことをしてでもシステムを悪用しようとする人が、必ず現れる。考えもしなかった方法で出し抜かれることもある。そんなときはカッとして相手の強欲を呪ったりせず、創意工夫に拍手を送ろう。
庭に雑草を引っこ抜かせる方法
→分離均衡を作り出す方法
ソロモンメソッド
「本当の母親は、自分の子供が殺されるのを見るくらいなら、諦めるほうを選ぶはずだ」
一括均衡と分離均衡
「誰も自分から罪を告白しょうとしないとき、無罪の人と有罪の人をどうより分けるか」
→「罪のない被告だけが神判を進んで受けようとする、分離均衡が生み出される」
→「神は潔白を知っているので神判を受けても傷つくことはない」
なぜ、詐欺師はナイジェリア出身を名乗るのか
→スペインの囚人詐欺、前払金詐欺、ナイジェリアの手紙詐欺、419詐欺
→疑陽性率を極限まで下げたい
→脈のありそうなユーザーを引き付けることではなく、
それよりも数の上ではるかに多い、脈のないユーザーを追い払うこと
→脈のないユーザーはめんどくさい、コストの高い疑陽性
→テロリストは生命保険に入っていない
→そして、テロリストにこのことを知らしめて、銀行で生命保険を買わせる詐欺によって、テロリストを見つける
聞く耳を持たない人の説得法
・主役は自分じゃなくて相手
・自分の主張が完璧だというふりをしない
・相手の主張のよい点を認める
・罵詈雑言は胸にしまっておく
・物語を語る
物語、ストーリーは、エピソードとは違う。
エピソードは全体像の一面を切り取ったスナップ写真。
スケールにも客観性にも欠け、ほとんどが外れ値。
エピソードを集めたものをデータとは呼ばない。
物語は、断片をつないで全体像を見せる。
そこにデータを入れ込むことで、スケール感を出せる。
優れた物語では、時間の経過も語られるから、
物事が不変なのか、どのくらい変化しているかがわかる。
何がどうなってこの状況が生まれ、それからどうなっていくかという
出来事のつながりを示す。
十戒を思い出すより、アダムとイブの物語を思い出すほうが簡単
「勝者はやめたりしない。やめる者は勝者になれない」
→ピートグレイも「勝者は決して諦めない」といっている。
チャーチルの「Never, never, never, never give up.(決して屈するな。決して、決して、決して!)」
とはいえ、
「やめること(捨て去ること)」は、フリークのように考える方法の核心
・自分を押しとどめている一般通念を捨て去る
・自分を引き留めている人為的なバリアを捨て去る・
・自分が知らないということを恐れる気持ちを捨て去る。
・真ん中を狙うほうが確率が高いと知りながら、ついゴールの隅を狙ってしまう癖を捨て去る。