■アイデアの 90% は間違っている
新商品やサービスの失敗の三つの大きな要因
・市場投入
・機能やデザイン
・アイデアそのもの
失敗しない技術のコアになる考え方は、Right itという正しいアイデアをつくり、本当に正しいかを適切な方法で検証すること。
Right it→適切な方法で進めれば市場に受け入れられるアイデア。対義語はWrong it。
グーグル墓場
失敗するパターンはほとんど「FLOP」である
失敗(failure)の原因は、市場参入(Lauch)か機能(Operation)かコンセプト(Concept)である。
データの基準
①新しくなければならない
②製品と強く関連していなければならない
③出どころを把握しておかなければいけない
④統計的に正確でなければいけない
「他人のデータ(OPD)」を信用するな
あなた自身に必要なデータ(YOD)を自ら収集しろ
仮説をより明確にしてくれる公式「XYZ仮説」
市場がなければ「道はない」
願望や妄想ではなく仮説であれ
■XYZ仮説とプレトタイプ
MEM(市場の反応に関する仮説)
Right itの検証
XYZ 仮説
→明確で検証可能な仮説。「少なくともXパーセントのYはZする」 と表現される仮説。
あいまいな仮説
コインランドリーで洗濯をしている人のほとんどは、その時間をきわめて苦痛に感じている。だから、数ドル余計に払っても、洗濯物を取りに来て、洗濯・乾燥し、それなりの期間内に届けてくれるサービスを利用するだろう。
明確な仮説 (XYZ仮説)
コインランドリーで洗濯をする人の少なくとも10%は、洗濯物を取りに来て、24時間以内に洗って返してくれるサービスを5ドル払って利用するだろう。
「超ズームイン」を使っていますぐ検証可能な仮説をつくれ
Y(ターゲット市場全体)からy(当初のテストを行うための、身近で小規模な対応可能な市場)
■プレトタイプ
XYZ仮説を検証するために、プレトタイプをつくる。
プレトタイプは、プロトタイプとは役割が異なる。
プロトタイプとはプロトタイプを使って検証すること
・製品やサービスのアイデアが実現可能かどうか
・つくる場合にはどうつくるべきか
・どのように機能するのか、どんな形やサイズにするのが最適か
プレトタイプは、そのアイデアをそもそも手がけ、製品化すべきかどうかを、すぐさま低コストで確かめるもの。
プレトタイプを使い、そのアイデアがRight itかどうかを検証する。検証のポイントは YOD を手に入れること。
プレトタイピングの手法
②「ピノキオ」型
→「あなた自身が使いたいと思うか」が最も重要
③「ニセの玄関」型
④「ファサード」型
⑤「YouTube」型
⑥「一夜限り」型
⑦「潜入者」型
⑧「ラベル貼り替え」型
■YODで検証する
YOD( Your Own Data)→あなた自身のデータ。自分たちのアイデア検証のためだけのデータ。
アイデア検証を他人のデータ(OPD:Other People's Data)を使うと、適切な検証方法にはならない。データを重視し、かつそのデータがYODでなければならない。
■身銭を切るか
検証でRight it かどうかを見極めるポイントは、ユーザが身銭を切るかどうか。アンケートでの 「使ってみたい」 「買いたい」 という意見ではなく、実際にお金を払うか、それ相応の対価を払って使ってくれるか。
意向という気持ちではなく、身銭を切るという行動が起こるかで、アイデアが正しいかどうかを見極める。
■勝つための戦術
・グローバルに考え、ローカルに検証する。
・48時間以内に検証する→
・とことんコストを落として挑む
・「惜しいが『はずれ』ゾーン」を意識しろ
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目次
はじめに 「自分がどこで間違えたかわからない」ことほど怖いものはない
「失敗しない」、本書の読み方
Part1 事実を直視しろ
1.新製品失敗の法則
-失敗という最もありがちな結果」から 一歩でも遠ざかるために
新しいことの「ほとんど」は失敗する
たとえ「きちんとつくったとしても」失敗する
市場での「失敗」と「成 功」の定義を明確にせよ
どれだけ大きな数字でも「ゼロをかければゼロ」
アイデアがどんなものでも「90パーセント」は失敗する
とびきり優秀な人たちの「劇的な失敗」
ディズニーの超大作も、マスコミ大注目のグーグル新サービスも大失敗
「経験と能力」は新商品を手がける際には「無意味」
グーグルで得た「失敗を学ぶ機会」
失敗するパターンはほとんど「FLOP」である
ほとんどの失敗は「コンセプト」が原因
2.「ライトイット」を見つけよ(The Right It)
-「新製品失敗の法則」に打ち勝ち、 成功する確率を劇的に上げる唯一の方法
そもそもが間違えているアイデア「ロングイット(The Wrong It)」
「市場調査をしても失敗する」理由
「綿密な市場調査」と「大規模キャンペーン」をおこなって大失敗
市場調査の結果は「本当に成功するために必要な データ」なのか?
「想像の世界」であなたを勘違いさせる四つの「落とし穴」
主観に満ちた「見当違いの意見」に耳を貸すな
「好意的な意見」ほど気をつけろ
たった二年で破産申請した一大プロジェクト
なぜ「成功するアイデア」をあきらめてしまうのか
グーグルですら「大したビジネスに成長するわけがない」と思わ れていた
「自分の意見」も「他人の意見」も「専門家の意見」でさえも信用できない
3.データは意見より強し
-グーグルでは「意見」は無価値
データの基準①新しくなければならない
データの基準②製品と強く関連していなければならない
デー タの基準③出どころを把握しておかなければいけない
データの基準④統計的に正確でなければいけない
「他人のデータ(OPD)」を信用するな
あなた自身に必要なデータ(YOD)を自ら収集しろ! 。
Part1のまとめ&Part2に向けて
Part2 最強の思考ツール
4.正確な仮説を立てろ
-あいまいさを排除し、 明確で鋭い思考ができるようになるツール
市場がなければ「道はない」
具体的で検証可能な仮説を立てろ
「願望」「妄想」ではなく、「仮説」であれ
グーグルで身につけた「あいまいな思考」を「検証可能な仮説」に変える術
仮説をより明確にしてくれる公式「XYZ仮説」
「XYZ仮説」はこう使え
「超ズームイン」を使っていますぐ検証可能な仮説をつくれ
「超ズームイン」は大胆に
「完成した製品がない」のに市場で売れるか検証できる「最強のツール」
5.「そもそもが間違っていないか」を早めに検証せよ
-あなたのアイデアが成功するかどうかを検証する最強のツール 「プレトタイピング」
ターゲットが「本当に買ってくれるのか」試したかったIBM
IBMが膨大な時間とお金をムダにせずに済んだ「画期的な実験手法」
多くの人が陥る「高価で危険な」負のスパイラル
「プロトタイピング」と「プレトタイ ピング」は何が違うのか
山のように集まったそもそもが間違いだった失敗例
失敗のほとんどはプレトタイ ピングで「避けられた」!?
プレトタイピングの手法①「メカニカル・ターク(機械じかけのトルコ人)」型
洗濯物自動たたみ機つきコインランドリーは成功するのか!?
どんなアイデアでもプレトタイプすべき二つの理由
プレトタイピングの手法②「ピノキオ」型
「あなた自身が使いたいと思うか」が最も重要
徹底的に「ふりをする」ことが重要
本質的な答えに近づく問い「そのアイデアは、そもそも実現すべきなのか?」
プレトタイ ピングの手法③「ニセの玄関」型
Win-Win-Win(ウィンウィンウィン)を目指せ
「意見」を重視した 人たちの「悲惨な結末」
毎年何百人もの人が「市場で失敗する製品やサービス」をつくっている
「罪悪感なく」データを集める方法
プレトタイピングの手法④「ファサード」型
「ファサード」型であなたを成功に導く 有益なデータを得よ
プレトタイピングの手法⑤「YouTube」型
「グーグルグラス」はなぜ失敗したのか!?
プレトタイピングは「きわめて割のいい投資」である
プレトタイピングの手法⑥「一夜限り」型
「大きな投資」の前に「小さなテスト」
プレトタイピングの手法⑦「潜入者」型
多少のリスクの裏に「ハイリター ン」が待っている
手っ取り早くデータを得る「ネットショップ利用法」
プレトタイピングの手法⑧「ラベル貼り替え」型
組み合わせて使うことで成功がぐんと近づく
多くの出版社に断られた『ハリー・ポッター』
6.データ分析の精度を上げろ
-最終的な意思決定のために データの意味を正確に読み取る方法
そのアイデアに人は「身銭」を切ってくれるのか?
「どのくらい身銭を切ってくれるか」を測る実験
「意見」も「いいね!」や「リツイート」もまったく価値がない
「メールアドレス」や「電話番号」の提供は最低限の「身銭」
「質」を重視したデータを取れ
集めたデータの何を見て「成功する」と「失敗する」を判断するのか
一回の 実験で判断することがばかげている理由
最低でも三~五種類の実験をせよ
あなたのアイデアが成功する までの道のり
Part3E 成功するための「戦術」
7.最後まであきらめるな
-「プレトタイピング」の効果を 最大化させる考え方」
〈勝つための戦術1〉グローバルに考え、ローカルに検証する
地理的概念を超えた「グローバル」「ローカル」のとらえ方
「ローカルに検証する」は最重要戦術である
「最短距離」で検証できる場所はどこか
オンライン上でも「ローカル」を意識せよ
〈勝つための戦術2〉四八時間以内に検証する
なるべく「早く」データを集 めるべきこれだけの理由
〈勝つための戦術3〉とことんコストを落として挑む
〈勝つための戦術4〉惜しい がはずれ、「ゾーン」を意識しろ
「そもそもを間違っていた」としたらどうすべきか
「創造性」を鍛えるス タンフォード大学の「「○○のアイデア」授業
「大転換」よりも「微調整10回」と心得よ
8.失敗しない思考プロセス
-ツールと戦術を用いていかに「間違わない」意思決定をするか
渋滞中に思いついた「バスを教室に変える」アイデア
まずはアイデアを「あいまいにせず」に、「明確に」とらえる
「そもそもを間違わない」ための「XYZ仮説」
「より具体的な表現」があなたを「想像の世界」から脱出 させる
より検証しやすいように「超ズームイン」する
訪問者がいくら「身銭」を払ってくれたかで判断する
まず「時間」と「金額」から検証する
欲しいデータを得るためにプレトタイピングをどう選ぶのか
できるだけ倫理的なウェブサイトを目指す
結果を慎重に分析し、次につなげる
「新製品失敗の法則」を決して忘れてはならない
よくない結果のとらえ方しだいで成功に近づく
「グーグルの社員」から舞い込んだ 思わぬ幸運
一つずつ問題を解決していく
データを収集し続ける人だけに見えてくる世界
アンケー トの「ひと工夫」で「身銭を切ってくれるか」確認できる
ついにたどりついた! 最高のアイデア、最高のサービ ス!
9.最終結論
-失敗できない人の 失敗しない技術
自分だけは「失敗とは無縁」だと思っていた
「過ちを二度と繰り返さない方法」を見出したい
そもそもが 間違ってはいないか?
あいまいさを排除し、正確な仮説を立てろ
最強の仮説検証ツール「プレトタイピン グ」
集めたデータを「どう分析するか」で結果は変わる
ツールをどのように使えば、勝てるのか
本書の技術を使えば必ず約束できる三つのこと
「最高のアイデア」とは何か?
「イーロン・マスク」の忠告
プレトタイピングをおこなうもう一つの重要な理由
どんなにいいアイデアも、あなたと相性がよくなければ意味 がない
それは世界にとっての「ライトイット」か?
良心にもとづいた判断が正しい方向に導いてくれる
志を高みに置き「手っ取り早く稼げる」を超えた視点をもつ
究極の「ライトイット」を狙おう
謝辞
用語集