カルダシェフ・スケールみたいだ。
人類の進化は指数関数的で線形ではない。
https://beventuresometrips.co.uk/mobile-phone-today-what-tomorrow/
六つのエポック
エポック1
最初のエポックではビッグ・バンから数十万年後に原子が形成され、その後分子が形成されて化学的過程が始まった。
エポック2
数十億年前、炭素ベースの化合物が複雑化し、生命が誕生。
そして、自分の情報を保存するためにDNAが生まれた。
エポック3
DNAに導かれての有機物が進化進化していき、感覚器を持ち、外の世界から情報を得て、自身の脳と神経系に情報を蓄えることのできる生物が作り出された。
動物の一部がパターンを認識できる能力を持ち、原始人類もこの時代に誕生。
エポック4
理性的な思考と、他の指と異なる方向を向く親指のおかげでテクノロジーを作ることができるようになった。
最初は原始的な石器から始まり、次第に高度な道具となっていき、ついにはコンピューターなどの複雑なものを作れるようになった。
→今ここ
エポック5
これから数十年先(おそらく2040年代)に特異点を迎える。
そこでは人間と人間が作り出したテクノロジーが融合し、「新人類」が誕生。
特異点に至れば人間は格段に賢くなり、病気や寿命に悩まされることもなくなる。
エポック6
人間のテクノロジーが宇宙に飛び出し、太陽系の外まで広がっていく。
特異点では人間の能力が根底から覆り、以下の変容する。
・ナノテクノロジーを用いてナノボット(超小型の自己複製可能なロボット)を設計し、人工の赤血球を作ったり、脳にナノボットを送り人間の知能を向上できる。
・コンピューターの知能が人間の知能と区別がつかなくなる。
・人間の知能の長所と機械の長所が合体する。
・人間からデータをダウンロードできるようになり、機械は人間社会の全ての知識にアクセスできるようになる。
収穫加速の法則
進化の速度は本質的に加速していく。
人間の脳のコンピューティング能力を実現する
エポック6が来るまでに、分子レベルの3次元コンピューターが登場する。
→半導体の論理回路がカーボンナノチューブ(炭素原子が6角形となり、筒状に連なったもので、その直径は1ナノメートル)でできている。
https://ichef.bbci.co.uk/news/976/mcs/media/images/70097000/jpg/_70097572_handholdingcntwafer.jpg
→原子メモリドライブ(原子を用いたハードディスク)は今と同じくらいの大きさで100万倍以上のデータを保存。
DNAコンピューティング
まず短いDNA鎖を作り、ひとつの遺伝コードに一つの記号を割り当てる。
これをPCRで何兆倍にも複製して、試験管の中に入れると長い鎖が形成される。
1つ1つの鎖は異なる文字列となっており、それぞれが可能性のある1つの回答になっている。
次に基準に合致しないDNA鎖を破壊するように設計された酵素を加えると間違ったDNA鎖は無くなり、正しい回答の鎖だけが残る。
・何兆もの回答が考えられる問題を同時に検査できる
・DNAとATPを結合させることで各々のDNAがそれ自体でエネルギーを供給しながらコンピューティングできる
電子のスピンを利用した「スピントロニクス」や、情報を光子に符号化した「光コンピューティング」、量子力学を応用した「量子コンピューター」などが開発される。
人間は10^16cps(count per second:毎秒この回数だけ計算できる)ものコンピューティング能力を持つ。
人間の記憶容量は10兆ビット程度
脳の内部をのぞき込み、モデル化し、各領域をシュミレートすること
→脳の機能をコンピューターで再現する
脳をスキャンする方法
・fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)
・MEG(脳磁気図)
・PET(陽電子放射断層撮影)
ナノボットは赤血球と同じかそれより小さいサイズなので、脳の毛細血管に入り込みナノボット同士で通信し、非常に近いところから脳をスキャンできる。
これがさらに進むと、人間の脳をアップロードできる。
→自分の意識を非生物的なものに移し替えたり、新たな身体に移し替えたり、サマーウォーズみたいにバーチャル世界に意識を飛ばして、そこで他の人と交流したりできる。
GNRー同時進行する三つの革命
Genetics:遺伝学
Nanotechnology:ナノテクノロジー
Robotics:ロボット工学
特異点への到達にはこの三つの発展が不可欠。
遺伝学
人をはじめ多くの生物は、DNAの塩基配列によってアミノ酸が作られ、それが鎖となり折りたたまれて3次元の構造を持つタンパク質となり、それが体を作り上げている。
人間の設計図であるDNAを操作できるようになり、より多くの病気の発生を制御したり、心臓疾患や糖尿病などを遺伝子レベルでタンパク質の発言を制御することでコントロールできる。
若返り。
染色体の末端にはテロメアという配列があり、それは細胞が増殖するたびに短くなる。このテロメアが無くなるとそれ以上増殖できなくなり、その細胞は死に、個体の死につながる。テロメアを作り出す「テロメラーゼ」という酵素は生殖細胞・幹細胞にだけ存在するので、テロメラーゼを普通の体細胞で発現できれば、永久的に増殖できる細胞を作ることができ不老不死も達成できる。しかし、このテロメラーゼという酵素を実は癌細胞も持っているので、癌細胞の発生を抑えながら、正常細胞を不死身にできるかということが今後の課題。
ナノボットの原料として有力なのが「カーボンナノチューブ」とDNA。
ナノチューブでとても小さいベルトコンベアを作ることができ、これにより分子サイズの物質を輸送でき、電流を制御することで動く向きと速さも調節できる。
DNAはお互いにくっつくことができる上に、それ自身に情報を保存することができる。
命令によってタンパク質と結合したり、離れたりすることのできる「DNAの手」が発明されたり、DNAで八面体を作ることができる。この八面体にはタンパク質などの物質を入れることができる。
ウイルスは、外側にタンパク質の殻、内側にDNAやRNAを持ちますが、この技術によって、外側DNA、内側タンパク質のような物質を作ることが可能。→反転ウイルス
ロボット工学(=AI)
優れたAIが誕生すると、AIが自らを強化しさらに優秀なAIが出来上がる。このサイクルが繰り返し行われ、AIの知能は人間よりもはるかに高くなる。
血液→ナノボットからなる人工のものに置き換える。
人工赤血球は普通のものと比べて100~1000倍もの酸素を蓄積・輸送でき、これを体内に取り込めば全速力で数十分走ることも可能。
人口の白血球は本来の免疫系よりも効率的に異物を排除できるため、感染症の治療がより簡単になり癌にも効果的。
心臓→血液を人工のものに変えると、血球はそれ自体で運動できるため、心臓という「ポンプ」がなくても血液が自動的に流れるようになる。
肺(酸素と二酸化炭素を交換する)や、膵臓(インスリンや消化酵素を作る)など多くの臓器が不要。→人工の血液が体の全ての細胞に酸素をはじめとした必要な物質を届け、不要な物質を回収できるため
骨格→ナノボットによって置換され、とても強固で自己修復できる。
皮膚から感じられるもの(質感・温度)は残しておきたいので、皮膚が無くなることもないが、感度はそのままにしてより強度のあるもので代替される。
生殖器、感覚器、口、食道が残る。
老化や病気の内、予防可能なものの50%を防げば平均寿命は150年に、90%を防げば500年に、99%ならば1000年を超え、バイオテクノロジーとナノテクノロジーがさらに発展することによって、死を無くすことができる。
ポスト・ヒューマン誕生
以下で十分