ホメオスタシス(恒常性)が働くので、多少の運動をしても痩せない。しかし、運動をしないと太る。痩せるためには食事を変えないといけない。
一日の総消費カロリーは運動しても増えない。
ヒトは哺乳類のなかで特別に成長と老化が遅い。
霊長類の代謝の速さは他の哺乳類の半分
ヒトだけが飛び抜けて他の霊長類より代謝が速い。
二重標識水法
重水素と酸素の安定同位体で標識された水(D218O)を飲ませた後、尿中の同位体比を測ることで生体の消費エネルギー量を知ることができる。
活動量が少なく、設定された(おそらく遺伝的に)消費カロリーに届かない人は必要以上の炎症(アレルギー反応など)、必要以上のストレス反応(副腎ホルモンの過度な放出)など「必須でない代謝」にカロリーを使い帳尻を合わせるので1日の消費カロリーは増えない)。
運動をしても1日の総消費カロリーは増えないが、必須でない代謝を落とすことが健康にとって非常に重要。
1日の消費カロリー量(代謝)は、生命活動を維持するのに必要な「基礎代謝BMR(60%)」と、日常の生活や運動で消費する「身体活動量(30%)」、食事の消化に伴う「食事誘発性熱産生(10%)」。
身体活動を増やすと「正しい消費カロリー」に帳尻を合わせようと、基礎代謝を脳は減らす。
主要栄養素のための地下鉄路線図
代謝のための路線図ではどの路線図も最後は、エネルギー源(炭水化物、脂質、タンパク質)に行きつく。どれもが原子の化学結合(ATP:アデノシン三リン酸)という形でエネルギーを蓄えている。カロリーの燃焼とはATPをつくることである。
クライバーの法則
代謝率は動物の質量の3⁄4乗に比例する
体重を減量するとカロリー消費量も減る。
一日の活動レベルは一日の消費カロリーと関係ない
人類は300万年前から炭水化物を食べていた。
ディビット・パールマターは何の根拠も示さず、祖先の食事は5%が炭水化物、75%が脂肪だったと論じるが、実際のパレオ食はタンパク質30%、炭水化物20%、脂肪50%。パレオダイエットの著者マードックはどんな種類の食物がどの程度取られているかを大雑把に推定しただけで、脂肪、炭水化物、タンパク質についてのデータは持っていない。
糖類を含んだ食品は食べ過ぎてしまうだけで、糖類のカロリーが脂肪からのカロリーより悪いデータはない。
低炭水化物ダイエットが成功しているのは、単にカロリーの摂取量が減ったから。炭水化物とは関係ない。
新たに運動量を増やした直後は1日の消費カロリーは増えるが、徐々にその効果は薄れる。
消費カロリーが増える効果が薄れてくるということは、必須ではない代謝が落ちてきて、健康への効果が高まるということ。
運動をしても消費カロリーは増えないので、痩せるには食事の管理が必須。ただし、痩せた状態をキープするには運動する必要がある。
痩せるために本当に必要なこと
体重を管理し代謝をうまく機能させるには、栄養価が高く、満腹感が得られ、しかもカロリーの高くない食品を中心にした食事をとる
高カロリーの加工食品を家と職場の机から一掃し、タンパク質か食物繊維が多く含まれている食物(素炒りのナッツ、果物、新鮮な野菜など)をとり入れると、少ないカロリー摂取量で満腹感を持続させることができる。