料理と調理の定義はおいておいて、料理は化合物の開発であるとすると、料理の化学的には、カレーは、料理をおいしくする香り(スパイス)とイノシン酸(肉)とグルタミン酸(トマトや玉ねぎ)で構成されているので、まずいわけがない(味覚の相互作用と食感、うま味の化学も参照)。スリランカでは、イノシン酸を含むモルディブフィッシュを使用している。さらにキノコ(シャンピニオン(マッシュルーム))はグアニル酸といううまみ成分にくわえ香りももっている。キノコを使用しているレシピはケープマレーカレー(ピエナンカレー(Pienang Curry)というケープタウン風マレーカレーではキノコは使用されていない(http://www.ejozi.co.za/curry-recipes/pienang-curry.html))だけだったが、キーマ系は除いているので、ここではとりあげていない。このようにみてみてると、鰹だし(イノシン酸)と昆布だし(グルタミン酸)の味噌汁と原理は似ている。昆布とかつお節の出汁に干し椎茸の戻し汁を加えたカレー南蛮が最強ということになってしまう。
一方、カレーの定義はみそ汁の定義と同様に難しいので、各国のカレーを定義するというより、インターネット上でみかけたレシピから特異点を抽出して、当該国のカレーとした。したがって、絶対的なものではない。
そのうえで、インドから直接、影響を受けたと思う各国のカレーのレシピについて、比較しやすいようにベースとするインドカレーのレシピに対して違いが分かるようにまとめてみた。したがって、タイカレーのように独自に発生したと思われるカレーについては言及していない。
例えば、胆が弱っていたら酸を強くのような五行説に基づいて、その日の体調合わせたカレーというものも可能である。モンゴリアンメソッドやアーユルヴエーダも興味深い。
http://www.chuiyaku.or.jp/tokushu/china-view04/page02.html
■ベースとしたインドカレー
インドは広大な国土を持ち、以下のように東西南北で大きく四通りのカレーがある。
ここでは、銀座ナイルレストラン(南インド)のムルギー(チキン)カレーを参考にしてベースのカレーとした。
https://cookpad.com/recipe/2914029
・チキンカレー
とはいえ、チキンカレーにいろいろな種類がある。
①チキンティッカ
②バターチキン
③チキン・コランブ
④ジャークチキン
⑤チキンシャクティ
⑥チキンクルマ
⑦チキンコルマ
⑧ケララチキンカレー
⑨チキンウップ
⑩チェティナードチキン
⑪マドラスチキンカレー
⑫ムルグ(チキン)バルタ
13.チキンジャルフレズ
以下に転記した。
https://akon.hatenablog.com/entry/2019/04/27/152459
-チキンドピアザ
チキン・ド・ピアザ。ド(Do)が“2”、ピアザ(Piaza)が“玉ねぎ。つまり、すなわちソースとして使われる形のない玉葱と、具材として形を残した玉葱のことです。
・北インド
シナモンやクローブ、ナツメッグ、ガラムマサラを使ったどろっと濃厚なカレー。
それぞれの料理がカトリ(katori)と呼ばれる小さなお椀に小分けにされる。これらカトリは丸い大きな金属のトレイ(ターリー)の端に主食(米やパン(ナーン、チャパーティー、ローティー)をぐるりと囲うように並べられる。
ターリーの料理構成は地域によって異なるが、米(インディカ米)、ダール(豆カレー)、野菜料理、ロティ(パン)、パーパド(クラッカー)、カード(ヨーグルト)、ひとくち分のチャツネや漬物、そしてデザートといったメニューが一般的なターリーである。
ムルグマッカーニ(バターチキンカレー)、キーママター(キーマカレー)、タンドリチキン、パラクパニール(ほうれん草とチーズのカレー)
パンジャブカレー(グレービー煮込み料理)
パンジャブ料理(日本では、ムガル料理ともいわれる)、インド北西部パンジャブ地方の料理
コルマカレー→牛乳や生クリームで作る白いカレー
https://www.orangepage.net/recipes/detail_300289
カシミーリーカレー→カシューナッツとレーズンを炒めたものを加える。
ローガンジョシュ→羊肉かヤギ肉を用いてつくられる。主にアルカネットの花か根と、カシミール唐辛子を使って色や味をつける。カシミール料理。
昔ながらのインド料理「ローガン・ジョシュ」の本格レシピ - macaroni
スパイスは、カルディで販売されている。
グジャラート料理
・スーラトという街を中心とした州南部の料理
・カティアーワディー料理
・ジャラーティ・ターリー
ジャガリというヤシなどを原料とした甘味料を使う。
参考までに、北インドで用いられるスパイスの比率の例を以下に示す。
クミンシード(4):ターメリック(1):カイエンペッパー(4):コリアンダー(8):クミンパウダー(4):ガラムマサラ(2)
好みにより、シナモンやカルダモン、クローブを加える。
ガラムマサラの配合率は以下。
クミンシード大さじ4、コリアンダーシード大さじ2、シナモンスティック大さじ1、クローブ大さじ1、カルダモン大さじ1、フェンネルシード大さじ1、ブラックペッパー大さじ1、ベイリーフ 4枚
・インド・コルカタの中華 チョウチョウライス
https://foodandspice.blogspot.com/2013/04/indian-spiced-chayote-chow-chow-rice.html
・南インド(インドの南のゴアを除く六州。ゴアはポルトガルの影響が強いため独自であり、西インドで概説する)
ギーよりもマスタードオイルやごま油が多く使われる。南インドの米は丸く、外見はジャポニカ種に似ている。しかし粘り気は少なく、粘り気を抑えた炊飯法が好まれる。北インドほど油脂を使わない。
カレーリーフ、マスタードシード、ココナッツミルクを多用したさらっとしたカレー。
アヴィヤル(野菜とヨーグルトのカレー)やラッサム(辛みと酸味のきいたタマリンドや黒コショウ、トマトなどのスープ)、マサラドーサ(スパイスで炒めたじゃがいもなどを豆粉のクレープで包んだ)などがある。
デリー→ムガル料理
アーンドラカレー
https://ameblo.jp/maruyamashu/entry-11332602109.html
タミル地方
ポンディシェリー料理→ココナッツカレー
ウドゥピ料理
カルナタカ料理→パンディカレー
アーンドラ料理
・ハイデラバード料理
・テルグ料理
ケララ料理→ミーン・モーリー
チェティナード料理→チキンウップカレー
https://ontrip.jal.co.jp/article/spot/dom_c_column_mizunojinsuke_curry/
なお、以下のような複数のカレーと副菜を伴ったミールス(定食)という形がとれるので、
-オーラン(南瓜と豆のココナッツミルク煮)
-ダル(豆のカレー)
-サンバル(タマリンドの酸味が特徴の豆と野菜の、少しスパイシーで酸味のあるカレー)
-ラッサム(ムングヂールという豆、スパイスとトマトとタマリンドによる辛酸っぱいスープ)
-プリセリ(ヨーグルトとココナッツのカレー)
-ポテトロースト(ポテトの炒めもの)
-ヨーグルト
-デザート
スパイスの配合率もそれぞれのカレーによって異なるので一概に言えないが、大きく以下のスパイスを使っている。
-ブラウンマスタード
-クミン
-ブラックペッパー
-フェネグリーク
-ホールチリ
-コリアンダーシード
-ターメリック
・東インド
ベンガル料理
マスタードオイル、マスタードシード、ターメリックなどを使った「マチェル・ジョル(ベンガルフィッシュカレー)」、フェンネルシード、ニオイクロタネソウの種、フェヌグリーク、クロガラシの種、クミンを合わせたパンチポロンという配合香辛料を風味づけによく用いるほか、白いケシの実(ポスト、posto)をしばしば煮込み料理やチャトゥニーなどに用いるのが特徴。
https://blogs.yahoo.co.jp/ricorico_princess/62957952.html
オリッサ料理
→じゃがいもののカレー、アルドゥム
アッサム料理
・西インド
グジャラティターリ。
ターメリック、しょうが、にんにくなど、植物の命の源と考える根のスパイスやハーブがタブー
なお、ゴア発祥のシャクティ(xacuti:鶏肉や羊肉の煮込み料理, https://chefgohan.gnavi.co.jp/detail/4374)、ヴィンダルー(vindaloo:ビンダルー)というカレー(肉を酢とニンニクで煮込んでビネガーの酸味の加わった辛酸っぱいカレー)、豚や羊のもつを煮込んだサラパテル(sarapatel)もある。
https://ethnic-as.net/selection/recipe/170/
https://www.gnavi.co.jp/dressing/article/21765/
南コンカン料理(Malvani cuisine)
ムンバイを州都とするマハラシュトラ州のコンカン地方
その他
チキン・イストゥ
→ココナッツ煮込み
エッグブルジ
→スクランブルエッグカレー
ハリヤリ
→香菜やミントがたっぷり入ったり料理
バルバル
→ドライ(汁なし)カレー
ムリガタニースープ
→ムングダール(豆)
ラッサムがインドからイギリスに伝わり、インドに逆輸入された
バンギバス
→南インドの茄子ごはん
●スパイス
・カレー粉大さじ2½強
スパイスは各国のカレー粉を入手したほうがより、当該国の味に近くなる。
スパイスを調整したい場合は以下を参照
●具材
・鶏肉400グラム(骨付きが良い)
→鶏肉は鮮やかにピンク色しているもので、パックの隅に汁が出ていないもの。
・ニンニク 2個
→上部の茎が黒ずんでなく直径が小さい
・ショウガ 1/2個→ヒネしょうが。丸々と太っているもの
・トマト缶 2個分
→カットトマトとホールトマトはトマトの品種が違い、
ホールトマトに使われているサンマルツァーノ種などのイタリアントマトがよい。
→ケチャップでもいいんだけど、せっかくの無化調が無駄になる
・タマネギ 2個
→淡路島産。皮がしっかり乾燥していて艶やかな茶色。重くて丸々と
→初夏が旬の紫タマネギは辛味が少ない
・プレーンヨーグルト無糖 200g
・(セロリ(フタリド類)がチキンスープをおいしくする説がある)
●調味料
・サラダ油(可能ならマスタードオイル、なければラード) 100ml(大さじ5杯)、可能ならばギーを推奨する。
ギーの作り方については以下を参照
https://www.olive-hitomawashi.com/column/2018/01/post-835.html
・塩(大さじ1杯)→カラナマック
●作り方
バターひと箱の半分でギーを作る。
①鶏肉をひと口大より大きめに切ってザルに移し、2回ほど水洗い。皮と肉は分ける。
②鶏肉にヨーグルト大さじ3杯程度(200g)を混ぜ合わせ、冷蔵庫に10~15分入れる(長ければ長いほど良い)。
→鶏肉を油でいためる場合はマリネは不要(よい鶏肉を選んでいる前提)
→長時間煮込む場合は、マリネしたほうが良い。マリネすると、肉が柔らかくなり、スパイスの風味がつく。ヨーグルトより塩こうじがいい感じ(バターチキンはヨーグルトでマリネする)。
→鶏肉にあらかじめ塩コショウを振ってしばらく置き、
マリネする際にギュッと絞って水けをキッチンペーパーでふき取るとよい。
マリネは手の熱が伝わらないように素早く。
ジップロックを使うと冷蔵庫の入れやすい。
炒めるまえに常温に戻す。
→梅酒(50ml+油)と醤油(小さじ1)に漬け込み、2時間(可能ならば一晩)寝かすというパターンも
→肉を赤ワインに漬け込んだ場合は、漬け込んだ後に一度沸かしてアクを飛ばす。
→カレーでは唐辛子は使わない(使う場合は、種を取ると、唐辛子の香りが際立つ。取った種と殻をごま油で黒くなるまで炒める)。辛さが足りないときは唐辛子より文記辣椒油みたいな辣油。
③-1 ホールスパイス(素材に合わせて選ぶ)→パウダースパイス(パプリカ、ターメリック、カイエンペッパー)→仕上げにガラムマサラ
→ホールスパイスで油にスパイスの香りをつけてから(焙煎することもある)、G&Gをいれて炒める。
③-2 別の鍋に常温の油を入れて、(炒っておいたホールスパイスと)にんにくとしょうがをきつね色になるまで中火で炒める。
ニンニクとショウガはつぶしてから刻んだ方がよい。
→ニンニクは小房の一つを丸ごと火であぶり、焼き色がついて柔らかくなったものをしぼると香りがよく甘味がでる
→しょうがの皮はむくかなくてもよい。むく場合はスプーンでそぐとよい。
→にんにくとしょうがは、みじん切りだとピリリとすりおろしだと濃厚
→細かすぎると水分が出てあめ色になりにくい。
-ニンニクもタマネギも小さく刻むほど、香りと風味が強くなる。
-ガーリックパウダーは乾燥して粉末にする過程で、ニンニクの持つ揮発性の風味の大半が失われている。
④玉ねぎを4つ切りして、手でほぐして、小さじ1/2の塩と加え、油を大さじ5杯いれて、油を少し温めた鍋にふたをして強火で玉ねぎがくたっと柔らかくなるまで蒸し煮にする。玉ねぎが柔らかくなったら、ふたをあけて強火のまま表面を焼き付けるように加熱する。
→鍋の蓋をかぶせて加熱すると、においと風味の化合物(アルキルチオ硫酸塩)が流れ出し、タマネギは半透明で柔らかくな状態になり、褐色化が起こる前に火を止めるとまろやかな風味になる。
蓋なしで加熱すると、流れ出たアルキルチオ硫酸塩は蒸発して、メイラード反応によって濃厚な風味になる。
→玉ねぎを炒めるのは、メイラード反応を得るため。つまり、玉ねぎの糖分とアミノ酸が化学反応を起こし、甘味やうま味を増すため(加熱によって辛味成分が揮発したり、別の物質に変化して少なくなることと、炒め加熱ではタマネギの水分が蒸発して糖分が濃縮される)。
→塩を加えるとタマネギから水分がてて、早く炒められる。
→たまねぎは繊維に対して垂直に薄切り→むくだけ
→水を吸わなくなるので、香ばしい
→みじん切りだと苦みが出る。すりおろすと水分が飛びにくい
→スパイスの苦みをうまみに変えるのは甘味
→甘みはたまねぎで出すが、奥行きが足りないので、チャッネやリンゴジャムを使う
→つまり、炒めなくても煮るだけでよく、オニオンペーストやフライドオニオン(50g)で十分
強火編アメ色玉ねぎを作るときのポイント
・強火で炒める
・放置して動かすを繰り返す
・ちょっとくらいのコゲは気にしない
途中何度か差し水することで、焦げ付きの防止にもなる。
玉ねぎとにんにく+しょうを一緒に作るパターン
・鍋に油を大さじ5杯いれて、油を少し温めたら、火を弱めて(最初は強火でよい)、タマネギ2個、ニンニク1個、ショウガ一袋の半分をフードプロセッサーでペースト状にして(テンパリングといって、熱した油でスパイスをいため、香りが立ったところでカレーを仕上げる)。
鍋の蓋をして、油で少し煮込み、飴色になるまで、ひたすら弱火にかける。
玉ねぎを炒める際には、焦げそうになるまで、動かさない。
補足として、カレーのコクを深めるのは「甘み」で、「玉ねぎ」を、炒めることで甘みが増し、コクも深めてくれる。
玉ねぎにはブドウ糖、果糖、ショ糖などの糖が含まれており、玉ねぎを炒めると水分が蒸発し、これらの糖が濃縮されて甘味が増す。
また、加熱によって玉ねぎの組織が破壊、軟化されて糖が組織の外へ出ることで、甘味を感じやすくなる。さらに、加熱することで、生玉ねぎの香り成分が減少し、糖が分解されることでカラメルのような甘い香りが生じる。
つまり、加熱することが重要であめ色に炒めることは重要ではない。
このことにより、コク・甘味を出しながら、シャキシャキの食感を出せるので、以下は不要になった(特に、魔法のカレーポットを使うことで)。
・炒め玉ねぎ→コク・甘味を出す
・薄切り玉ねぎ→シャキシャキの食感を出す
さらに、旨味は塩味、苦味、渋味で強化され、苦味、渋味、塩味は甘味で和らげられる。デリーはこれを狙っているんだろうな。
つまり、玉ねぎは焦がしてもよい。
SB 熟成玉ねぎとブイヨンのローストオニオンカレー 中辛では
ベッタベタの炒めタマネギと、組織を残したタマネギ 炒めの浅い透き通る玉ねぎ
スパイスカフェの海老カレーでは、
生タマネギ、炒めタマネギ、乾燥炒めタマネギ
3種類のカットの玉ねぎ
→1個は薄切り、もう1個は1/2を粗みじん切り、残りの1/2はすりおろし
ガッテンの「芯」玉ねぎ
https://nowkore.net/archives/58400#outline__3
・玉ねぎの内側⇒シチューやカレーにそのまま。丸ごと蒸しも◎
・玉ねぎ外側⇒しっかり炒めて飴色玉ねぎにすれば、ルーの旨味とコクをアップ
⑤水トマト、薄皮を向いた状態の残りのニンニク1個分を鍋に入れてさらに炒める(トマトの水分を飛ばす感じ)。グルタミン酸は玉ねぎで足りているので、水分のためトマトが必要なので、トマトジュースさらにいえば、キムチの素や焼き肉のタレ、サルサ、カピ(海老を塩漬けにして、発酵させたもの)でもいい。サムゲタンスープ、鶏がらスープがうまいが100ccのブイヨンで十分。
トマト以外に、カシューナッツペーストとココナッツファインというのもある。
このカシューナッツは以下のようにムスリムスタイルでペーストにする。
カシューナッツ(100g)をフライパンで焙煎して、
フライドオニオン(50)と一緒に熱湯(200ml)にいれて10分ほど置いて
ミクサーでペーストにする
⑥マリネしておいたチキン(常温に戻して)を「油でいためてこんがり色に焼き」、カレー粉(もしくはパウダースパイス)大さじ2½強とを鍋に入れ、「鍋に蓋をして」弱火で、「水を加えずに」40分~1時間程度煮込む(長時間煮込まない(ブレイズ調理法)。「なぜカレーは煮込むのか - akon0.98bのよっぱらいの戯言」を参照)。弱火で煮込むと、「乳化」という水と脂がマッチする現象が起きるため、まろやかになる。ふたを開けると雑味がこもらないが、スパイスの香りが飛んでしまう。
→カレー粉は油となじませないと粉ぼっくなる
→ガランマサラを使う場合は、香りと辛味が無くならないように、火を止める直前に加え、蓋をしてしばらく蒸らす。
→ミャンマーの油戻し煮的にオイルがセパレートするまで煮込む。
チキンをつけていたヨーグルトを入れないのがインド風。パキスタン風は入れる。
⑦仕上げに塩を大さじすり切り一杯とお好みで「ギー(ローガン)」「カスリメティ(フェヌグリークパウダーでもいいかも)」を投入。
■各国のカレー(順不同)
インド周辺だけでも、ネパール料理、バングラデシュ料理、パキスタン料理、スリランカ料理などがある。そして、大きく、ココナッツミルク系とヨーグルト系がある。
◇ココナッツミルク系
http://crea.bunshun.jp/articles/-/12267
トマトの代わりにココナッツミルク300mlをカレー粉を入れる際に加える。
よりマレーシア風にするためには、
八角やシナモンの入ったマレーシア産のカレー粉、
タマネギを炒めるときに、クミンシードとカレーリーフを加える
さらにライスはナシレマ(ココナッツライス)
https://cookpad.com/recipe/3480646
ルンダンソースを使うルンダンカレーもある。
https://indonesia.tabimanabi.com/ja/food/rendang-daging-sapi/
https://e-plus01.com/post-1979-1979
サンバルで作るバージョンもある。
https://sea.ap.teacup.com/world-recipe/159.html
ペナンカレー(マサメラというトマトベース)もマレーシアである。
トマトを入れる前にココナッツミルクを炒めた玉ねぎにいれて沸騰させる。
スパイスには唐辛子の代わりにハリッサを使う。
ハリッサの作り方については以下を参照
https://ameblo.jp/maruyamashu/entry-11118044144.html
カレー粉を入れる際に、ココナッツミルク200ml、モルディブフィッシュ(鰹節、シンハラ語でウンバラカダ、カラワラは干し魚の総称)を大さじ1杯。材料を土鍋に全部入れてきつめの火で炒める。モルジブフィッシュは豆などの野菜カレーの仕上げのテンパリングに使う。油はココナッツオイルを使用する。
スパイスは以下。
ローステッドカレーパウダー、カレーリーフ、ココナッツミルク、パンダンリーフ(ランペ)、セイロンシナモン
●ベトナム
https://cookpad.com/recipe/2950198
チキンをマリネする際に、ヨーグルトではなく以下をマリネする。
カレーパウダー 小さじ2
にんにく(みじん切り) 1片
しょうが(みじん切り) 1片
レモングラス(柔らかい下部の部分・みじん切り)小さじ1(1本分)
紫たまねぎorたまねぎ(みじん切り)1/8個分
砂糖小さじ1/2
塩小さじ1/4
胡椒少々
タマネギは炒めない。
蒸したサツマイモをフライパンで揚げ、挙げ終わったら、そこで鶏肉を揚げる。
レモングラスの茎を入れ5分位、灰汁を取りながら煮る。
煮たらニョクマムを加え5分位煮る。
ココナッツミルクを加え、カレーの色になったら、
揚げておいたサツマイモを加え5分程度煮る。
塩を加え味を整える。
https://todoetan.com/cooking/kariayam/
以下をペースト状にする。
ガランガル(しょうが) 1片
にんにく 2片
唐辛子(お好み) 5本
シャロット(赤玉ねぎ) 1/2個
キャンドルナッツ(カシューナッツ) 2個
こぶみかんの葉 2枚
レモングラス 1本
コリアンダーパウダー 小さじ1/2
ターメリック 小さじ1/2
トラシ(カピ) 小さじ1/2
砂糖 小さじ1/2
白こしょう 小さじ1/2
ココナッツミルクミルク 大さじ1
ペーストを油で炒め。鶏肉を加えてさらに炒める。
水(400ml)を加えて、15分程度煮込み、塩を入れて味を整える。
ジャガイモを入れるのがインドネシア風なのかは不明。
http://tw-cai.blogspot.com/2014/07/singaporean-chicken-curry.html
トマトに加えてココナッツミルクも加えることでマレーシアの風味を残しつつ、スパイスは中華風を使う。
チキンをマリネする際に、ヨーグルトではなく以下をマリネする。
コリアンダー(胡荽) ……… 大さじ3
ブラックペッパー(黒胡椒) ……… 小さじ1
ターメリック(姜黄) ……… 大さじ2
シナモン(肉桂) ……… 小さじ1/2
ナツメグ(肉豆蔻) ……… 小さじ1/4
チリペッパー(トウガラシ) ……… 大さじ2-4
タマネギは炒めない。
油で以下を炒め、鶏肉を入れる。
カルダモン(白豆蔲) ……… 5個
クローブ(丁香) ……… 2個
ニンニク ……… 6個
エシャロット ……… 100g
カレーリーフ ……… 2枚
表面の色が変わるまで中火で炒め、トマト、ココナッツミルク、塩を加えて沸騰させたら、1時間以上煮込む。
ジャガイモを入れるのがシンガポール風なのかは不明。
フィッシュヘッドカレー
http://www.sbcurry.com/recipe/detail/?id=01417
●カンボジア→クメールカレー
https://cookpad.com/recipe/2011889
ココナッツミルクカレーに、スパイスにはレモングラス、コブミカンの葉(カフェライムリーフ)、エシャロットをいれたもの。
アモック(タイカレーのような魚や卵を加えたココナッツミルク煮)もある。
http://www.sbcurry.com/dictionary/global/cambodia/
◇ヨーグルト系
ヨーグルトでマリネしたチキンを入れる際にそのヨーグルトも入れる。
ひき肉を肉団子にしたコフタカレーもある。
https://cookpad.com/recipe/2434666
インドとの違いを見つけられず。
◇ヨーグルトとココナッツミルクとも不使用
●ミャンマー→チェッターヒン
https://note.mu/takibidatakibida/n/nc234b228e9ef
チキンをマリネする際に、ヨーグルトではなくカレー粉でマリネする。
カレー粉を入れる際にンガンピャーイー(ナンプラー)を小さじ1杯入れる。
チキンを入れて煮込む際に、油戻し煮といい、油が浮き水分がなくなるまで煮込む。
決め手はピーナッツオイルという説もある。
●ネパール
https://shotti-nomad-life.com/nepalie-curry/
ヨーグルトは使わない。
南インドのミールスのように、ダルバートという定食のタルカリがカレーに相当する。
-ダル(小粒の豆を使ったスープ)
-バート(米)
-タルカリ(おかずである。炒めた野菜やカレー)
-サーグ(青菜の炒め物)
-アツァール(辛口の漬物、薬味)
スパイス
以下のスパイスが主に用いられる。
ラッスン(ニンニク)
ジラ(クミン)
モリジ(黒コショウ)
ベサール(ウコン)
アドア(ショウガ)
ダニア(コリアンダー)
スクメル(カルダモン)
ティル(ゴマ)
メティ(フェヌグリーク)
ジャイパル(ナツメグ)
クルサニ(トウガラシ)
ダルチニ(シナモン)
ケサリ(サフラン)
トリ(マスタード)
ルワング(クローブ)
ガラムマサラ(ミックススパイス)
・ククラレピャジタレコ
ターメリックやカルダモン、シナモンスティック、クローブなどを使ったネパール式チキンカレー
http://minami-indo.com/recipe-kukhura-ko-masu
・ラムブトゥワ
ラム肉とカレー粉、ターメリック、クミン粉などを煮込んだヒマラヤのカレー
ブトゥワは内臓という説もある。
・カーシ・コ・ブトゥワ
カーシ=山羊肉、ヤク肉、マトン等の総称、コ=~の、ブトゥワ=炒めもの
マトンを炒め、ピーマンと玉ネギ、ナスを炒め、生姜、ニンニクを入れて炒め、ターメリック、唐辛子、クミン、コリアンダー、ガラム・マサラを加えて炒め、塩で味を調える。
◇不明
●ラオス
カレーはあるようだが、レシピは発見できず。
●タヒチ
カレーはあるようだが、レシピは発見できず。
バナナ、りんご、マンゴーなどのフルーツの甘みとココナッツミルクを使用。
●チベット
カレーはあるようだが、レシピは発見できず。
●フィリピン
http://tw-cai.blogspot.com/2014/07/filipino-chicken-curry.html#more
カレーはあるようだが、特徴的なレシピは発見できず。
・南米スリナム料理
スリナムカレー
https://kankolondo.exblog.jp/4911808/
・
ダーバンのバニーチャウ
https://www.cooksister.com/2009/01/bunny-chows-south-africas-own-street-food.html
ダーバンカレー
・西アフリカ
-セネガル
マフェ
ピーナッツペーストをベースにしたソースが特徴で、このソースはフランスではソース・アラシッドと呼ばれている。
トマトの酸味に、ピーナッツバターの甘味とコクを加え、赤唐辛子で辛みをつけている。小麦粉やオクラを入れてソースにとろみを付けることもある。
http://www.bras-de-chef.com/recipes/%E3%83%9E%E3%83%95%E3%82%A7/
■具の名前
料理名は、基本的に素材の名前が付けられる。
アルはジャガイモ、マタルはグリンピース、ビンディーはオクラ、バイガンは茄子、パラックはほうれん草、パニールはチーズ、スタッフドトマトは中身をくりぬいたトマトにチーズやジャガイモを詰め、カレーソースでからめたもの。コフタは団子のこと、やはり中に詰め物をしてカレーソースにからめる。ダヒはヨーグルト、ライタはヨーグルトサラダ。
サグ(ほうれん草)
アル(ジャガイモ)ゴビ(カリフラワー)
ベイガンバルタ→すりつぶした(バルタ)ナス(ベイガン)
ドローワット
https://cookpad.com/recipe/1366643
■その他のカレー
タイカレーのように独自に発生したと思われ、インドから直接、影響を受けいないと独断で判断した以下の国のカレーについてはリストすることにとどめた。特に日本のカレーについては、完成度が高く多くの亜種もあるのでレシピに言及していない。日本のカレーは、イギリスから伝わったブリティッシュカレー(https://internetofspice.com/2570/)とイギリス海軍が日本の旧帝国海軍に伝えたとされる海軍カレーがあり、海軍カレーは小麦粉を使う。海軍カレーは味付けを醤油にすることで肉じゃがになることから、カレーにニンジンやジャガイモなど入れるようになったと推測できる。ニンジンやジャガイモを入れる際は素揚げしてから入れると煮崩れしない。門司発祥の焼きカレーというジャンルもある。
ブリティッシュカレーには、ホップとイーストから来る独特の香りと苦みを持つビール、ギネスを使ってコクを出すのはアイルランドの手法もある(ビーフ・イン・ギネス)。一方、欧風カレーといわれるものは、ブリティッシュカレーの流れを汲んでいると思われ、ブラウンソース(ホワイトソースをさらに炒めてチョコレート色になるまで炒めたもの)をフォンや鶏がらスープで伸ばしカレー粉で味を整える。
なお、日本のカレーの隠し味(チョコレート、インスタントコーヒー、砂糖、赤ワイン、中濃ソース、しょうゆ、トマトジュース、すりおろしりんご)についての実験結果は以下にまとめられている。
https://srdk.rakuten.jp/entry/2016/03/24/110000
これら以外にフルーチャツネ、バナナなど各種フルーツ、鶏肉にはマーマレードジャム(牛肉にはブルーベリージャム)、はちみつ、みそ、マスタード、タバスコ、豆板醤、コチュジャン、ヤンニンジャン、ジンギスカンのタレなどいろいろある。出汁の素をコンソメやブイヨンのかわりにいれるのもありだが、シイタケがはいっているものがよい。むしろ、出汁の素を入れずに、干しシイタケの戻し汁だけでもよい。
なお、「はちみつ」「味噌」「醤油」などアミラーゼという酵素を含む調味料などは仕上げに入れると、せっかくついたとろみが弱くなってしまうので、ルーを入れる20分前に入れてよく煮込む。
タイカレーはタイ語でゲーンと呼ばれるさまざまなスープで、香辛料の利いたココナッツミルク仕立ての料理の総称であるが、外国人向けに便宜上カレーとして呼称しているだけで、インドのカレー料理との関連性はない。なお、マッサマンカレーというタイカレーがある。
http://tw-cai.blogspot.com/2014/07/kaeng-matsamanchicken-massaman-curry.html#more
韓国のカレーも日本のカレーが進化したものととらえとりあげていない。
●中国
・咖喱飯:カレー味の中華丼。
https://cookpad.com/recipe/4782069
・麻婆カレー
●ドイツ
・カリーヴルスト:焼いたソーセージにカレー粉を加えたケチャップをかけた料理。
・ニューカレドニア風カレー:ヤム芋と鶏肉をココナッツと香辛料で煮込んだもの。
●ジャマイカ
・ジャークチキン
https://note.mu/takibidatakibida/n/n8316a4c6b72e
・カリー・ゴート:カレー粉で下味をつけたヤギ肉を煮込んだ料理。
・カリード・アキー:ココナッツミルクとカレー粉でアキー(ジャマイカの果物)を煮た前菜。
●イギリス
・バネティ
●フランス
・ブルターニュ産カレースパイス カリ・ゴス(Kari Gosse)
・Sauce au curry(カレー風味のマヨネーズ)
・ジュラ地方のPoulet au curry(チキンカレー)→ヴァン・ジョーヌで煮込む。
・レユニオンカレー(レユニオン島のカレー、ルガイユ・スシス)
http://furanpon.hatenablog.com/entry/2017/02/06/143702
ソーセージとトマトとタマネギを煮込み
レンズ豆の煮込みと一緒に、ルガイユ(辛い漬物)と食べる。
・コロンボ:コロンボ粉(=プードルアコロンボカレー粉)を使った肉や魚のカレー。
https://cookpad.com/recipe/5341690
●アメリカ
・カントリー・キャプテン : 鶏肉を煮込んだカレーシチュー。
●ザンビア
・トンガベジ
https://e-food.jp/recipe/africa/tongabezi/
●モザンビークカレー
https://blogs.yahoo.co.jp/akitainu_hokuto/32782149.html
■その地域と関係ないカレー
・デリーのカシミールカレーとインドのカシミール地方は関係がない。
・ジャワカレーはジャワと関係ない
・バーモントカレーはバーモンド州ではなくバーモント法と関係がある。
■まとめ
インドのレシピをベースに各国のカレーについてまとめてみた。おいしさを追求するならば、各国ごとの違いを分析するより、素材を活かす作り方を研究したほうが良い。
結果として、どの国のカレーが好みであるかよりも、どの組み合わせが好みかがわかればよいと考えている。整理ができたので、ひとつづ検証していきたい。
この組み合わせがわかったならば、つぎは好みのスパイスを探求したい。