インターネットで簡単に誹謗中傷できるのは、相手と何のつながりもなく、今後も継続的な関係を築く必要がないから。
人それぞれの相対主義はグローバルでリベラルな社会を生き抜くための処世術
一見、他者に寛容にみえるが、他者を理解することを放棄している。
つまり、マイノリティや弱者が受ける抑圧や異なる考えや生き方に関心を持たない。
ジェイソン・ブレナン著『アゲインスト・デモクラシー』
の市民の3類型
ホビット:政治について無関心で無知。
フーリガン:政治的部族主義。
ヴァルカン:政治について知識と関心があり、科学的思考、合理的思考をする。
大衆や生活を引っ張り出してきて、議論を相対化する。
【読書メモ】綿野恵太『「逆張り」の研究』(筑摩書房 2023年) - マラカスがもし喋ったら
【目次】
まえがき 逆張りくんによる「逆張り」の研究
第1章 「成功したければ逆張りをしろ」――投資家と注意経済の時代
瀧本哲史とピーター・ティール
注意経済(アテンション・エコノミー)
炎上狙いの逆張り
空気=同調圧力を読んで、あえて逆張りする
「運動」の時代と「逆張り冷笑おじさん」
第2章 「どっちもどっち」の相対主義と「この道しかない」の絶対主義――同じところで同じ情報がぐるぐる回っている
インターネットの類友たちのポピュリズム
相対主義と絶対主義は同じコインの両面
常識というセキュリティ
「愛が大事」と「勇気づけられる」
第3章 「昨日の敵は、今日の友」――アンチと「アンチのアンチ」の戦争
アンチになると主義主張がおかしくなる
「敵の敵は味方」という論理
「敵/味方」の世界観を絶対化する
ポストモダン思想が嫌われる理由?
オウンゴールに熱狂するフーリガン
ツイッターという類友の内輪
支配的な政治は自然の顔をしている
第4章 「ブーメランが突き刺さっている」――アンチ・リベラルの論法
常識や良識を相対化できればなんでもいい
「それってあなたの感想ですよね」「ブーメランで草」
御田寺圭氏の「かわいそうランキング」
アンチ・リベラルはリベラルとよく似ている
「敵」の主義主張のパロディ
第5章 「他人からええように思われたいだけや」――動機を際限なく詮索するシニシズム
「社会から安心、尊敬、信頼される人間を育てる」
厨二病的シニシズム
資本主義社会の耐えがたさ
リベラルは流行しやすい
猜疑心あふれるネット迷探偵たち
物語にすることで安心する
シニシズムは利己的な動機を暴露する
第6章 「そこまで言って委員会」――インターネット学級会とネトウヨになりかけたTくん
「どっちもどっち論」批判は正しい
リベラルという優等生
議論と決断はつねにゴタゴタする
モラルの高さのお披露目会
道徳的な非難を避ける傍観者
誠実だからこそ裏切る必要がある
優等生のえこひいきが許せないネトウヨ
優等生はえらそうなのではない、えらいのだ
頭がよくて良心的だからこそ嫌われる
ネトウヨになりかけたTくんの思い出
本当の意味で反社会的なひと
第7章 「やっぱり東野圭吾が一番」――逆張りとしての批評
メタ視点に立つための「差異化ゲーム」
小林秀雄の逆張り芸
マルクス主義の重しとメタメタメタゲーム
メタゲームを止めてくれる「身体」と「エビデンス」
「笑い」がリベラルに嫌われる理由
第8章 「脳をつつけば世界はガラリと変わって見える」――はるしにゃんとケミカルな唯物論
はるしにゃんと「メンヘラ」界隈
鶴見済と滝本竜彦の影響
セロトニンとケミカルな唯物論
第9章 逆張りは多数派の敵でありつつ、友でなければならない
逆張りにも、逆張りぎらいにも「いま」しかない
「いま」自体を相対化できる別の視点を持つこと
常識をもって常識を制す
あとがき
主要参考文献
まえがき 逆張りくんによる「逆張り」の研究
第1章 「成功したければ逆張りをしろ」――投資家と注意経済の時代
瀧本哲史とピーター・ティール
・瀧本哲史『僕は君たちに武器を配りたい』(2012年)
・『新世代が解く!ニッポンのジレンマ』(NHK Eテレ 2012年1月1日~2019年3月31日) 1970年以降に生まれた新世代の論客
注意経済(アテンション・エコノミー)
・アクセス数、再生数稼ぎ。感情に訴えかける。
炎上狙いの逆張り
・「信者」=「カモ」を効率的に見つけ、オンラインサロンなど課金コンテンツへ誘導する。ガーシー、N国党。
空気=同調圧力を読んで、あえて逆張りする
・山本七平『「空気」の研究』。戦艦大和の沖縄への出撃を決めた会議。
「運動」の時代と「逆張り冷笑おじさん」
・2011年3.11以降の時代の趨勢。2013特定秘密保護法、2015安保法制、2017#MeToo、2020ブラック・ライブズ・マター 「運動」の時代
第2章 「どっちもどっち」の相対主義と「この道しかない」の絶対主義――同じところで同じ情報がぐるぐる回っている
インターネットの類友たちのポピュリズム
・ポピュリズムは世界を 敵/味方、善/悪という二項対立で単純化する。わかりやすい敵=悪への憎しみをかきたてる。世界をウエ/シタにわけて、「資本家」(ウエ)を敵にすれば、左翼ポピュリズムになる。世界をウチ/ソトにわけて、「外国人」(ソト)を敵とすれば、右翼ポピュリズムになる。
相対主義と絶対主義は同じコインの両面
常識というセキュリティ
「愛が大事」と「勇気づけられる」
・2013年アントニオ・ネグリ来日シンポジウム 六本木鳥居坂にある国際文化会館 三菱を率いた岩崎小弥太の邸宅を改築 ロックフェラー財団の援助で日米文化の交流拠点として建てられた 国際文化会館の会員優先の抽選制
第3章 「昨日の敵は、今日の友」――アンチと「アンチのアンチ」の戦争
アンチになると主義主張がおかしくなる
・ほとんど政治的な知識を持たない「ホビット」/自分の党派を応援するために政治的な知識を獲得する「フーリガン」/さまざまな情報に基づいて合理的な判断をおこなう「バルカン」
・ポピュリズムは味方と敵を峻別し、敵への憎しみをかきたてる。「アンチ」として、敵を叩くことに夢中になる人が出てくる。より攻撃的な言動をすればするほど、「われわれ」(味方)から賞賛が得られる。部族主義的な本能を満足させられる。
「敵の敵は味方」という論理
・ポピュリズムは「敵」を否定することで、「われわれ」というアイデンティティを確立する。「あいつら」とのちがいを示すことで、「われわれ」を成立させる。両者は対立しながらも、互いに依存している。だから、「われわれ」と「あいつら」の共通点を指摘する批判は、この対立関係を揺るがしてしまう。せっかく結集させた「われわれ」というアイデンティティを崩壊させる。敵/味方、善/悪という二項対立の世界観そのものを批判することは、ポピュリズムにとって「敵」以上の「敵」になる。
「敵/味方」の世界観を絶対化する
ポストモダン思想が嫌われる理由?
オウンゴールに熱狂するフーリガン
ツイッターという類友の内輪
支配的な政治は自然の顔をしている
第4章 「ブーメランが突き刺さっている」――アンチ・リベラルの論法
常識や良識を相対化できればなんでもいい
「それってあなたの感想ですよね」「ブーメランで草」
御田寺圭氏の「かわいそうランキング」
・「学歴」差別 「若年非大卒の男性」は無職や非正規雇用も多く、収入も低い。
アンチ・リベラルはリベラルとよく似ている
「敵」の主義主張のパロディ
第5章 「他人からええように思われたいだけや」――動機を際限なく詮索するシニシズム
「社会から安心、尊敬、信頼される人間を育てる」
厨二病的シニシズム
・子供っぽい純粋さをもっている。「大人はきたない」
資本主義社会の耐えがたさ
リベラルは流行しやすい
猜疑心あふれるネット迷探偵たち
物語にすることで安心する
シニシズムは利己的な動機を暴露する
・他人を道徳的に非難すると、快楽をつかさどる神経伝達物質のドーパミンが放出される。「許せない」と怒ることで、快楽に酔いしれて気持ち良くなっているのだ。実はギャンブルやドラッグでもドーパミンが分泌されるのだが、これらの依存症の原因にはドーパミンの過剰放出があるとされる。つまり、「他人を許せない」と怒るひとは、ギャンブル依存やドラッグ中毒と同じような「正義中毒」の状態だといえる
第6章 「そこまで言って委員会」――インターネット学級会とネトウヨになりかけたTくん
「どっちもどっち論」批判は正しい
リベラルという優等生
議論と決断はつねにゴタゴタする
モラルの高さのお披露目会
道徳的な非難を避ける傍観者
誠実だからこそ裏切る必要がある
優等生のえこひいきが許せないネトウヨ
優等生はえらそうなのではない、えらいのだ
・福沢諭吉『学問のすすめ』には「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という有名な言葉がある。しかし、この文章の続きには「人は生まれながらにして貴賤・貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり」と書かれている。つまり、人類みな平等だが、学力で序列ができることは認めていたわけだ。
頭がよくて良心的だからこそ嫌われる
ネトウヨになりかけたTくんの思い出
本当の意味で反社会的なひと
第7章 「やっぱり東野圭吾が一番」――逆張りとしての批評
メタ視点に立つための「差異化ゲーム」
小林秀雄の逆張り芸
マルクス主義の重しとメタメタメタゲーム
メタゲームを止めてくれる「身体」と「エビデンス」
「笑い」がリベラルに嫌われる理由
第8章 「脳をつつけば世界はガラリと変わって見える」――はるしにゃんとケミカルな唯物論
はるしにゃんと「メンヘラ」界隈
・はるしなくんとかいんくん
鶴見済と滝本竜彦の影響
・『人格改造マニュアル』 『NHKにようこそ!』
セロトニンとケミカルな唯物論
第9章 逆張りは多数派の敵でありつつ、友でなければならない
逆張りにも、逆張りぎらいにも「いま」しかない
「いま」自体を相対化できる別の視点を持つこと
常識をもって常識を制す
あとがき
主要参考文献